日本で公開が始まったイギリス映画『異人たち』。ロンドンで孤独に暮らす中年男性と“異人”たちとの交流を描くファンタジー映画で、日本を含む世界47か国で公開される人気ぶりだ。 映画の原作は、数々の人気ドラマで知られる脚本家の山田太一さんが、37年前に書いた小説『異人たちとの夏』。 なぜ、いま海外で映画化されたのか。そこには国やことば、さらにはセクシュアリティーも関係なく、どんな人の心も引きつける物語の魅力があった。 映画を手がけた監督や山田さんの遺族への取材でひもとく。 (科学文化部 福田陽平)
1968年にノーベル文学賞を日本人として初めて受賞した作家の川端康成。 受賞理由は「日本人の心の精髄を優れた感受性で表現する、その物語の巧みさ」でした。 その川端康成の名作の出版ラッシュがいま、中国で起きています。 代表作「雪国」の中国語版はすでに20以上の出版社が発売。空前の盛り上がりをみせる「川端ブーム」の背景には何があるのか。取材しました。 (中国総局記者 松田智樹) 中国で広がる「川端康成ブーム」とは? 北京の大型書店 中国の首都・北京の中心部にある大型書店を訪れると、入り口の目立つ場所にずらりと並んでいるのが、日本人初のノーベル賞作家・川端康成の小説です。 特に人気を集めているのが「雪国」です。 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」という有名な書き出しで知られる川端康成の代表作。 20以上の出版社がそれぞれ独自の翻訳家を起用して競うように発売しています。 「『雪国』は特に
著者:黒川 創出版社:図書出版みぎわ装丁:単行本(608ページ)発売日:2023-12-11 ISBN-10:4911029048 ISBN-13:978-4911029046 いまある日本語の文学は、どのように書き継がれていったのか―― この度、『鶴見俊輔伝』で第46回大佛次郎賞を受賞した黒川創の評論集が刊行されました。本書は、2013年に伊藤整文学賞を受賞した『[完全版]国境』の続編ともいえる内容であり、90年代後半から現在に至るまで、黒川創が思索し続けた「国境」と「外地」をめぐる文学史論の決定版です。2015年に河出書房新社より刊行された『鷗外と漱石のあいだで 日本語の文学がうまれる場所』に、アンソロジー『〈外地〉の日本語文学選』(新宿書房、全三巻、1996年)の解説、書下ろしの「新しい定住者が生みだす世界 金達寿から始まったもの」を加えてまとめた一冊。800人を超える人名索引のほか
二〇二二年の冬から二三年の春にかけての数ケ月、北京に滞在した綿矢りささんの実体験から生まれた小説『パッキパキ北京』には中国の“今”が詰まっている。主人公は、コロナの時期に北京に単身赴任しいろいろ弱っている夫に乞われて渡航した菖蒲(アヤメ)。実際の作者自身よりも、菖蒲はコロナが明けてからの北京を大胆に自在に闊歩する……。 対談のお相手は雑誌掲載時からこの小説に興味を持っていたという、日本を代表する中国文学者・藤井省三さん。綿矢さんの思いもかけない中国との縁や中国文化とのつながりを文芸評論家として紐解いてゆく。 構成/長瀬海 撮影/中野義樹 『蹴りたい背中』からの因縁 綿矢 私が中国に関心を持ったのは割と最近で、三十代の半ばを過ぎてからでした。その頃は中国語に簡体字と繁体字の違いがあることもわかっていなかったんですが、慣れ親しんできた日本の漢字とは形や意味が少しずつ違う簡体字の魅力に惹かれて勉
リンク 日テレNEWS NNN ベレンコ元中尉が亡命先のアメリカで亡くなる…47年前に冷戦下のソ連から戦闘機で函館空港に飛来|日テレNEWS NNN 47年前の1976年、当時の冷戦下のソ連から、北海道・函館空港にミグ戦闘機で飛来したベレンコ元中尉が、亡命先のアメリカで亡くなっていたことがわかりました。 1 user 125 毎日がチートデイ!軍曹 @MEVops ベレンコ中尉亡命事件のベレンコ中尉が亡くなったとの由。彼とその機体が西側にもたらした情報と日本の防空体制の変革を促した点においては日本の恩人でもある。 twitter.com/nytimesworld/s… 2023-11-20 17:57:40 New York Times World @nytimesworld The Soviet jet that the North Atlantic Treaty Organizatio
現代日本を知るための映画や文学を特集した記事をスペイン紙「エル・パイス」が掲載した。記事によると、かつては遠い国と思われてきた日本だが、今日(こんにち)では文化的に近しく感じられるようになり、日本の作品のなかで扱われるテーマは「現代世界を解釈するために必須」とされるようになっているという。 紹介された作品はすべて英語やスペイン語、フランス語などの外国語に翻訳されたものだ。語学学習にはもちろん、海外の友人に日本に関する本や映画をおすすめする際にも役立つだろう。 かつての遠い国が文化的に近しく 日本はほんの20年前まで対極にある国とされていたが、今日(こんにち)では若者たちの想像力の一部を培いながら、文化的に近しくなった。これは娯楽産業、それも主にアニメのおかげだ。世界中の若者の間では食べ物や音楽、文学や映画といったあらゆる日本文化への興味・関心が高まっている。かつては奇妙なテーマやモチーフと
Af @Sz73B 今年、川端康成の著作権保護期間が切れたってんで、中国で空前の川端康成ブームが始まってて、大量の小説の翻訳が中国に出回ってるようだが、言論統制が厳しさを増して息苦しくなってる中国社会で、完全に異界としての日本を描いた川端の作品に逃げ場を見出してるのではと評されてて、大変やなと。 2023-09-14 14:20:30 Af @Sz73B 表現規制も厳しくなってるので小説のような創作すら安全ではなくて、危険を犯したくない学生は文学を志しても翻訳の方向に向かう者も少なくないとのことで、というわけで優れた翻訳者が中国に大量に生まれてる面もあるとか。同じ理由で理系を目指す学生が多いとも前に聞いたが、そっちもあるのか。 2023-09-14 14:23:18
著者:星野 智幸出版社:新潮社装丁:文庫(152ページ)発売日:2004-10-28 ISBN-10:4101164517 ISBN-13:978-4101164519 ラテンアメリカとの混血へ! (第13回三島由紀夫賞受賞記念対談:星野智幸×野谷文昭)中上・マルケスからの出発野谷 星野君、受賞おめでとうございます。 ここしばらく僕はメキシコに行っていたので、帰ってきたとたん何事が起きたんだと、ちょっとばかり面食っているというのが正直な感想です。受賞作の『目覚めよと人魚は歌う』(5月31日、新潮社刊)が「新潮」に掲載されたのも向こうにいて知らなかったくらいで、帰ってきて初めて気づきました。それから、三島由紀夫賞の候補になったことを新聞で知り、この間ブラジル映画祭で久し振りに会ったときに話題にしたら、2日後に受賞の報を受けたような次第で、まあ、僕の帰国が幸運の呼び水になったのかな(笑)。 星
世界ではいま、日本文学が注目されている。特に翻訳された海外小説の売り上げが急速に伸びている英国では、その販売数の4分の1を日本の小説が占める。なぜそれほど人気が出たのか、英紙「ガーディアン」がその理由に迫った。 英国で人気が高まる「翻訳小説」 2023年5月、英国の文学賞「ブッカー賞」の翻訳部門にあたる「ブッカー国際賞」の授賞式が開催された。そのとき、主催者からある数字が発表され、会場はざわついた。書籍バイヤーに対する調査によると、翻訳した海外文学の売り上げは2022年、前年比で22%増加したという。 特に、そのほぼ半分を購入したのは、35歳以下の読者だった。この年代層の読者が購入するフィクションの31%以上を翻訳小説が占めており、この数字は伸び続けている。 翻訳小説の未来は明るい。いくつかの出版社の本は「文化的なアクセサリー」として捉えられるようになっている。それほどクールな存在になった
近年注目の韓国SF小説の翻訳出版が相次ぎ、キム・チョヨプ『わたしたちが光の速さで進めないなら』、 チョン・ソンラン『千個の青』、ぺ・ミョンフン『タワー』などなど経済格差、気候変動、障がい者問題などさまざまな社会問題を掘り下げる問題作が日本の読者を魅了してきました。 その魅力の根源には何があるのか。 韓国SFをけん引してきた『となりのヨンヒさん』の著者チョン・ソヨンさんに、日本の作家・翻訳家の松田青子さんが質問を投げかけます。 撮影/神ノ川智早 構成/すんみ 通訳/李希京 (2023年4月15日 神保町にて収録) 松田 『となりのヨンヒさん』を読んでいると、特に社会という大きなシステムに抗いながら生きている人の姿が心を打ちます。 例えば、「一度の飛行」ではテスト飛行で訪れた開拓惑星から帰らずに、違う生き方を選択した登場人物が描かれ、「開花」は危険分子として刑務所に投獄されてしまった姉が、検閲
作家の村田沙耶香には「イマジナリーフレンズ」、空想上の友達がいる。子供の頃からの長い付き合いだ。 村田は親から、料理をするよう、「女の子らしく」振る舞うように教えられて育った。そうすればいつか、お金持ちの男性と結婚できるから、と。「身体も、人生も、自分のものだとは思えませんでした」と村田は語る。だから、イマジナリーフレンズと一緒に宇宙船に乗って、自分の居場所だと感じられるような惑星に飛んでいくことを夢見ていた。 村田は一貫して、「普通」とは何かを問いかけ、家族の在り方を疑問視する物語を綴ってきた。そうした作品は、彼女自身が生まれ育った保守的な国・日本で多くの共感を呼んでいる。半自伝小説『コンビニ人間』は2016年に芥川賞を受賞。すでに30ヵ国語以上に翻訳され、売り上げは150万部を超えた。 村田の小説は、日本文学の翻訳作品の新時代を切り開いたと言える。『コンビニ人間』の英訳版が出版されたの
外国語を話すことができるからといって、その人がその言語を母国語へきちんと置き換えることができるとは限らない。とくに文芸翻訳においては、単なる語学力だけでなく、その国の文化に対する知識も必要となってくる。だから文芸翻訳者はどの作家の作品であっても、複雑な職人技を必要とされるわけだが、それが村上春樹の作品となればなおさらだ。村上作品の英語翻訳を手がけるフィリップ・ガブリエルに翻訳の裏話を聞いた。 2021年4月、フィリップ・ガブリエルの新しい翻訳本が、英語圏で広く話題をさらった。発表から一週間も経たずして、同書は米「ニューヨーク・タイムズ」紙のベストセラーリストで11位に浮上した。だが、もしニューヨークやロンドンの豪勢なレセプションを回って彼の姿を探そうとするなら、それは間違っている。 ガブリエルはアリゾナ州ツーソンで、およそ40年間続けてきたことを粛々と進めている。彼は、アリゾナ大学で日本文
日本を舞台とするルーマニアの小説(左)と、代表的なルーマニア文学『ノスタルジア』(右)を手に持つ済東さん 千葉の実家に7年間ひきこもりながら、ルーマニアでは新進気鋭の小説家として注目されている男がいる。済東鉄腸(さいとう・てっちょう)さん、30歳。現地では「ルーマニア語で書く日本人作家」として注目されていて、現地メディアで何度も取り上げられる存在となっている。 しかし済東さんは長年鬱をわずらい、数年前からは遠出も制限される難病「クローン病」になってしまった。千葉はもとより、自分の家からもほとんど出ない生活をしている。まるで「なろう系ノベル」のように、絶望的な日本での生活から“異世界”ルーマニアで作家として転生したかのようだ。いったいどのようにして、彼はルーマニア語の小説家となったのだろうか。 済東さんは子どもの頃から、緘黙(かんもく)に近いほどの人見知り。大学に入学すると、サークルでの失恋
滅茶苦茶解せない日本人の文化の受け入れ方。 欧米の映画や小説→普通に日本へ入ってきて、普通に流行る。 中国の映画や小説→中国本土のものが全然入ってこないし流行らない。代わりに日本人の作った中華ものが流行る。 これって、なんかおかしくないですか? — 春秋梅菊 (@chunqiumeiju) April 18, 2019 Twitterで呟いたことで割と反応いただいたのだけど、日本で流行る中華ものって、日本人が作ったものばかりで本国ものが全然ないよねって話。そもそものきっかけが、まあ例によって「キングダムの映画? キャスト全員日本人とか敦煌かよ」みたいな偏見オタクの愚痴だったりするんで、気に入らねえなって方はスルーしておくんなまし。 色々いただいた意見もご参考に、何となくまとめみたいなことを書いてみる。 何故、本土の中国ものが流行らないのか。様々な要素が絡んだ結果にせよ、主だったものは下記あ
なんか論文くさい書き出しになってしまいましたが。 きっかけは先日のツイートです。 興味深いツイートだなぁ。 同じようなことをずっと感じてる。日本人作家の中国小説って良くも悪くも大陸本場のテイストが脱臭されてる。和製麻婆豆腐を食べてる感じ。長くなるから今度ブログで書きたい。 https://t.co/k7OyyyycQh — 春秋梅菊 (@chunqiumeiju) 2023年2月14日 ※追記 記事のきっかけになったツイートなのですが、私が引用元様のツイートの意図とは違う方向まで話を拡大してしまい、そのことでご指摘を受けたので取下げさせていただきました(引用元様には直接謝罪のうえ、ツイートの取消しでご了承いただいてます)。私のツイート趣旨は、この下の文章の通りなので、そのまま読み進めていただければ問題無いかと思われます。 長く中国大陸のコンテンツ(ドラマ・映画・小説)に触れていると、日本人
「なろう系」で有名な日本最大級の小説投稿サイト『小説家になろう』は枚方の会社。中の人にインタビューしてきた 俺は平凡な高校2年生。 ある日、道路に飛び出した子どもを助けようとしたところ、トラックに轢かれちまって俺は死んだ。 ……と思ったんだけど。あれ、どこだここ。 え、もしかして…俺って異世界に転生しちゃった!?? きたる異世界転生の日に備えて修行に励むイメージ図(のガーサン) ……ていう感じの展開のお話、ひとつくらい聞いたことがあるんじゃないでしょうか? そう、上記のような異世界転生モノをはじめ、「主人公最強系」や「作品名がやたら長い系」などなど、これらの作品を総称し巷で親しみを込めて呼ばれているのが、 いわゆる「なろう系」という創作ジャンル! 「なろう系」の起源となったのは、日本最大級のWeb小説投稿サイト『小説家になろう』から生まれた作品たち。 異世界での戦いに備えてエネルギーを溜め
外国人にとってはまだまだ日本は未知の国、外国の小説や漫画、映画などに出てくる日本人の姓名が時としてかなりヘンテコなものになっていることがある。ずっとコレクションしているのだが、ここに一端を御蔵出しする。 ※小文に限っては、簡便のため姓名の「名字(ファミリーネーム)」と「名前(個人名=ファーストネーム)」を常時区別し、単に「名前」とした場合でも、それはファーストネームの方を意味することとする。 まずは良い例から 無論、ヘンテコなものばかりではない、割に穏当なものも多いのだ。たとえば御大、エラリークイーン『ニッポン樫鳥の謎』(創元版)=『日本庭園殺人事件』(角川版)に出てくる寡黙な日本人老女中、その名は: キヌメ カタカナで書かれるとぎょっとするが、これは「絹女」とでも書くのだろうか、彼女は琉球の出身で、琉球はアイヌとも血統が近いと言われているが、戦前のものにしては割に正しい認識と言ってよかろ
佐々木鏡石@『じょっぱれアオモリ』コミックス3月27発売 @Kyouseki_Sasaki 異世界転生作品が嫌いな人は多いですけど、11年前の3月、あまりにも理不尽に人が死んでゆく現実を見た日には、多分異世界転生が必要だったと思いますよ。私はこれ死ぬまで言いますよ。 異世界転生は人の宿願です。死んだら続きがあって欲しいじゃないですか。 2022-11-18 20:14:13 佐々木鏡石@『じょっぱれアオモリ』コミックス3月27発売 @Kyouseki_Sasaki 異世界転生は現実逃避だとは言いますが、よく考えれば、現実逃避の何が悪いんですかね。今日逃避しなけりゃとても明日を生きていけない社会でないですか、我が国の社会は。 そこまで否定できる程に日本に生きてる人はみんなみんなシニカルで強いですか。そんなわけないです。 2022-11-18 20:28:32 佐々木鏡石@『じょっぱれアオモリ
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