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ブックマーク / movie.maeda-y.com (12)

  • 超映画批評「ホームレス ニューヨークと寝た男」90点(100点満点中)

    ホームレス ニューヨークと寝た男」90点(100点満点中) 監督:トーマス・ヴィルテンゾーン 出演:マーク・レイ 心揺るがすドキュメンタリー 実は私はこの映画を2016年のクリスマスに見た。クリスマスにホームレスのドキュメンタリー試写にいく映画批評家というのもなかなか切ないものがあるが、そんなスケジュールを組んだ宣伝会社もまたもすごい。 だが、結論としては彼らは正しかった。この映画をこういう日に見られて、私は大変幸運であった。 ここに出てくるマーク・レイという男はラテンな雰囲気のチョイワル男といった風貌で、ユーモアはあるし話術は抜群。主にカメラマンとしてショウビズ業界で活躍している。実に魅力的だ。 ところがまもなく彼が6年間もニューヨークのビルの屋上に忍び込み、寝泊まりをしているホームレスということが明らかになる。 この映画はそんな彼の境遇を知って愕然とした友人のカメラマンが、なんとかし

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    lenore 2017/04/25
  • 超映画批評「モアナと伝説の海」70点(100点満点中)

    「モアナと伝説の海」70点(100点満点中) 監督:ロン・クレメンツ 声の出演:アウリイ・クラヴァーリョ ドウェイン・ジョンソン 優等生なアニメではあるが 「モアナと伝説の海」は、ディズニーアニメらしく時代の空気を反映した脚に、少しだけ新しいチャレンジを加えた高品質なアニメーション映画だ。過去の成功例の積み重ねによる安定感も高く、非の打ち所がない優等生映画となっている。 海が大好きな少女モアナは、族長の父親により外洋に出ることを固く禁じられていた。だが女神テ・フィティの「心」が盗まれた事により世界の均衡は崩れ、彼女はそれをい止めるため伝説の英雄マウイを求めて旅立つ決意を固めるのだった。 作には「アナと雪の女王」など過去のディズニーアニメ成功作の長所がふんだんに取り入れられており、誰が見ても十分共感できるようになっている。彼らは長年の蓄積を基にきわめてロジカルな映画作りをしており、毎年

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    lenore 2017/03/28
    「彼らは長年の蓄積を基にきわめてロジカルな映画作りをしており、毎年成功の方程式を更新しているようなものなので、もはや駄作が生まれる余地はほとんどない」笑いも運動も批判も出来る優等生みたい。安心で飽き…
  • 超映画批評「秘密 THE TOP SECRET」20点(100点満点中)

    「秘密 THE TOP SECRET」20点(100点満点中) 監督:大友啓史 出演:生田斗真 岡田将生 原作の魅力を理解していないつくり 「秘密 THE TOP SECRET」の原作は、清水玲子による少女向け漫画ながら格的なSF作品である。原作はボーイズラブ風味もある異色作で、いわゆる腐女子的なファンも多いだろうと思ったのか、この実写映画を任されたのは実写版「るろうに剣心」シリーズを大成功に導いた大友啓史監督。だが、その期待は残念ながら裏切られることになった。 死んだ人間の脳をスキャンし、生前の記憶を映像化するMRIスキャナーが開発された。これを犯罪捜査に生かすため、科学警察研究所法医第九研究室(第九)が設立される。若き室長・薪剛(生田斗真)のもとに配属された新任の青木(岡田将生)は、難事件を次々解決する薪室長の手腕に驚嘆する。だがMRIスキャナーは、決して万能ではないのだった。 生田

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    lenore 2017/03/13
    批評者が原作をちゃんと理解してて救われる
  • 超映画批評「母と暮せば」75点(100点満点中)

    「母と暮せば」75点(100点満点中) 監督:山田洋次 出演:吉永小百合 二宮和也 性根の入った反戦映画 2016年のお正月映画は、東宝と東映が安倍時代らしい愛国ムービーで足並みをそろえた。しかし松竹は山田洋次監督の「母と暮せば」で反核反戦テーマを訴える。ただひとり、信念を持って迎え打つ構図になっている。 長崎への原爆投下で息子の浩二(二宮和也)が死んだその3年後、助産婦の伸子(吉永小百合)の前に彼の幽霊が現れる。聞くと浩二が死んで以来、操を立てるように誰とも付き合わない恋人の町子(黒木華)が心配なのだという。奇妙な共同生活を始めたこの母子は、おせっかいにも町子の相手探しにかかわっていくのだが……。 さすがは山田洋次監督、戦争映画をやるとなったら生やさしい描き方はしない。かつて「たそがれ清兵衛」に始まる三部作で時代劇映画というジャンルを一段高みへと引き上げた、その創作魂がこの反戦映画にもい

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    lenore 2016/01/03
  • 超映画批評「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」30点(100点満点中)

    「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」30点(100点満点中) 監督:樋口真嗣 出演:三浦春馬 長谷川博己 水原希子 ファンをないがしろにした報い 諫山創の人気漫画の実写映画版として期待されていた前編「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」は、当サイトの批評文に樋口真嗣監督が激しく反応したことで炎上騒動を巻き起こした。関係者やスタッフの度重なる燃料投下でそれは大火となり、結果として初動50億の興収を期待されながらいまだ30億程度と、ファンにそっぽを向かれる結果を招いた。今頃映画会社の偉い人たちは、頭を抱えていることだろう。 100年以上ぶりに現れた人い巨人たち。崩壊した壁を修復すべく調査兵団が奮闘する中、アルミン(郷奏多)をかばったエレン(三浦春馬)はなぜか巨人化し、他の巨人を攻撃し始めた。それを見た人類側の生き残りは、敵か味方かわからぬエレン

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    lenore 2015/09/13
    この引かない姿勢は結構悪くない。
  • 超映画批評「ターミネーター:新起動/ジェニシス」85点(100点満点中)

    「ターミネーター:新起動/ジェニシス」85点(100点満点中) 監督:アラン・テイラー 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー エミリア・クラーク テーマ曲からアドレナリン全開 映画界はリブート花盛りだが、ターミネーターシリーズ5作目にして新三部作の一作目となる「ターミネーター:新起動/ジェニシス」はすごい。なにしろ3作目と4作目をほとんど無かったことにして、事実上の3作目となる形の超変化球型リブートを果たしてしまったのだから。 2029年、ついにスカイネットとの戦いに勝利したジョン・コナー(ジェイソン・クラーク)。だが機械軍は敗北の直前、T-800型ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)を1984年に送り込み、ジョンの母親サラ(エミリア・クラーク)を抹殺しようと試みていた。ジョンは急きょ追撃に部下のカイル・リース(ジェイ・コートニー)を送り込むことを決めるが……。 おやおや、

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    lenore 2015/07/08
  • 超映画批評「ダラス・バイヤーズクラブ」75点(100点満点中)

    「ダラス・バイヤーズクラブ」75点(100点満点中) 監督:ジャン=マルク・ヴァレ 出演:マシュー・マコノヒー ジャレッド・レトー あふれるリバタリアニズム 「ダラス・バイヤーズクラブ」はハイレベルな演出技法と役者の役作りを味わえる映画、すなわち見た目がわかりやすい「いい映画」だが、中身やテーマなど内容も、それに劣らずとんがった傑作である。 1985年のテキサス州ダラス。ロデオカウボーイのロン(マシュー・マコノヒー)は、大好きな酒と女を存分に楽しむ奔放な生き方を楽しんでいた。ところがそれが祟り、医師からHIV感染と余命30日を宣告されショックを受ける。生きのびるため病気について学び始めた彼は、偏見と誤解にみちたこの病気についてと、米国ですら遅れている治療法の現状を知る。病院で知り合った同性愛者のエイズ患者レイヨン(ジャレッド・レトー)の協力を得てロンは、未承認薬を求めメキシコへ向かうのだが

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    lenore 2014/12/01
    浅田彰の紹介のせいで見たくなった
  • 超映画批評「もったいない!」70点(100点満点中)

    「もったいない!」70点(100点満点中) Taste the Waste 2013年9月21日(土)から、東京都写真美術館ホール、名演小劇場(名古屋)ほか全国順次ロードショー 2010年/ドイツ/カラー/92分/配給:T&Kテレフィルム 監督:ファレンティン・トゥルン 撮影:ロラント・ブライトシュー 編集:ビルギット・ケスター 役に立つお勉強ドキュメンタリー 飢餓問題を語るとき、ちょいと詳しくなるとこんな事をいうようになる。「世界の糧生産はもう十分人類全員をまかなえるだけある。つまり飢餓問題は料の量ではなく配分の問題だ、料が足りないのではなく、買えない貧困こそが問題なのだ」と。 たしかに一理あるのだが、その認識は不十分である。 「もったいない!」は、その段階でとどまっているレベルの観客に驚きと新事実を与え、さらなる高見につれていってくれる良質なドキュメンタリーである。 監督は、この

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    lenore 2013/09/25
    ちょっと気になるなこれ。東京都写真美術館ホールか…
  • 超映画批評「ガッチャマン」4点(100点満点中)

    「ガッチャマン」4点(100点満点中) Gatchaman 2013年8月24日公開 全国東宝系 2013年/日/カラー/113分/配給:東宝 原作:竜の子プロダクション 監督:佐藤東弥 脚:渡辺雄介 スタントコーディネーター:小池達朗 キャラクターデザイン:荒牧伸志(『APPLESEED』監督) VFX:白組 キャスト:松坂桃李 綾野剛 剛力彩芽 濱田龍臣 鈴木亮平 光石研 剛力ジュンが、原作ファンを過激に挑発 先ほど更新した「スター・トレック イントゥ・ダークネス」の記事で、「邦画エンタテイメントはハリウッドに比べて社会問題をテーマにするのが下手」と述べたが、その典型例がこれである。しかも、娯楽と時事性を高度に両立させて国の批評家筋から高い評価を得た前者と同週公開とは皮肉である。 21世紀初頭、侵略者ギャラクターにより地球の半分が壊滅した。彼らに対抗できるのは「石」の力を引き出せ

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    lenore 2013/08/22
    「内容の4割くらいは彼らヒーローが語る青臭い中二病的理屈を聞かされ、のこり6割は剛力彩芽演じるジュンの、ケン(松坂桃李)に対する横恋慕で構成される」
  • 超映画批評「キャビン」90点(100点満点中)

    「キャビン」90点(100点満点中) The Cabin in the Woods 2013年3月9日(土)シネマサンシャイン池袋 他全国ロードショー 2011年/アメリカ/カラー/95分/配給:クロックワークス 監督:ドリュー・ゴッダード 脚:ジョス・ウェドン、ドリュー・ゴダード キャスト:クリステン・コノリー クリス・ヘムズワース アナ・ハッチンソン フラン・クランツ ジェシー・ウィリアムズ 独創性がある 世間一般には疑問符が付くようなタイプの人間でも意外とモテたりする。気が多い女の子とか、金遣いの荒い男とか、第三者からみればクズのような性格でも「普通」に飽いてる者にとっては適度な刺激になるためだ。適材適所、捨てる神あれば拾う神ありだ。 「キャビン」は、どこからみても異形な映画。変化球のみで構成されたトンデモ作だが、だからこそ「普通」に飽きてる人には最高の刺激となる。その魅力は、あら

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    lenore 2013/03/16
    見に行った。面白い映画だった。終盤の"Let's party"展開が際立っていたが、私はシステムのとんでもない脆弱性に慄いた。
  • 超映画批評『ハッピーフライト』90点(100点満点中)

    『ハッピーフライト』90点(100点満点中) A Happy Flight 2008年11月15日(土)全国東宝系ロードショー 2008年/日/カラー/103分/配給:東宝 監督・脚:矢口史靖 製作:フジテレビジョン、アルタミラピクチャーズ、他 出演:田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、吹石一恵、岸部一徳 全日空全面協力の、かつてない飛行機映画 『ウォーターボーイズ』(2001)、『スウィングガールズ』(2004)と続けてヒットを飛ばした矢口史靖(やぐちしのぶ)監督は、この最新作では飛行機を飛ばすことになった。取材の過程でマニア級の飛行機好きになった監督としては、前二作とは趣の相当異なる、そして邦画には珍しい「一般ウケするオタク映画」を作り上げた。 ここで来あらすじを紹介するのだが、この映画の場合は必要ない。『ハッピーフライト』は群像劇の形を取っているが、ストーリーを楽しみにいく作品では

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    lenore 2008/11/22
  • 超映画批評『ブラインドネス』95点(100点満点中)

    『ブラインドネス』95点(100点満点中) BLINDNESS 2008年11月22日、丸の内ピカデリー2他全国松竹・東急系にてロードショー 2007年/カナダ・ブラジル・日/カラー/121分/配給:ギャガ・コミュニケーションズ 監督:フェルナンド・メイレレス 原作:ジョゼ・サラマーゴ 出演:ジュリアン・ムーア、伊勢谷友介、ダニー・グローヴァー、ガエル・ガルシア・ベルナル 全世界が突然失明!? ここ数ヶ月みた映画の中で、私が最も感動したのはこの『ブラインドネス』であった。カンヌ映画祭で、景気付けのオープニング上映のみならず、命コンペ部門にも出品されたというだけのことはある。 街のど真ん中で、日人男性(伊勢谷友介)が運転中の車を急停止させた。彼は、突如として失明してしまったのだ。診断した医師が首をひねる中、世界各地で同様の症状に見舞われる人が続出。この奇病は瞬く間に感染し、政府は患者の

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