“爆発”は戦闘地域や爆弾テロに限らず工場での事故や、隕石落下、火山爆発などの自然現象でも発生する。爆発に伴って、爆風よりも先立って脳に重大な影響を及ぼすのが衝撃波だが、これまでその作用のメカニズムについては不明だった。東京農工大学大学院の西舘泉・准教授と防衛医科大学校防衛医学研究センターの研究グループは、ラット使った実験で、レーザーによって引き起こした衝撃波が脳に及ぼす現象を再現し、解析することに成功した。 爆発が起きると、先ず急激な圧力上昇を伴う衝撃波が発生し、それに続いて、強い気流(爆風)が生じる。世界各地の戦闘地域や頻発する爆弾テロでは、市民などを含めて、爆風による多くの頭部外傷患者が発生しているが、MRIやX線CTなどの画像診断で特段の異常が認められずに「軽症」と診断されても、記憶障害や高次の脳機能障害、「心的外傷後ストレス障害」(PTSD)などの後遺症が高い確率で起こり、深刻な問