今回は、機関設計の自由度が高まった新会社法下において、株式公開を目指すベンチャーが、スタートアップ期、アーリーステージ、レーターステージを経て上場申請に至るまでの各成長段階において、いかなる機関設計を選択することが可能であり、かつどのような機関設計が望ましいのかについて検討します* 。 ポイント1 スタートアップ期(非公開会社かつ非大会社) - 創業者が会社を設立したベンチャー創立段階 - <会社法上設置が義務付けられた機関> スタートアップ期のベンチャーは、株式に譲渡制限が付され(=「公開会社」1 でない)、資本金が5億円未満かつ負債総額が200億円未満である(=「大会社」でない)ことが通常ですが、このようなベンチャーに設置が義務付けられた機関は、株主総会及び1名以上の取締役のみとなります(会社法295条、326条1項)。 <取締役会設置の適否> スタートアップ期のベンチャーが任意に取締