東京都内で記者会見をした近大水産研究所の升間主計所長は「近大にはマグロの完全養殖で培った持続力と技術力がある。ぜひウナギもレストランで提供したい」と話した。近大は2002年にクロマグロの完全養殖に成功。大阪と東京で運営する飲食店でマグロやタイ、シマアジなどの養殖魚を提供している。 ウナギの養殖は国立研究開発法人の水産研究・教育機構が完全養殖に成功したが、コスト面から商業化ができていない。近大は18年に水産研究・教育機構から研究者を招き、19年3月から養殖研究を本格的に始めた。9月に成熟したウナギから数十万個の卵を採取し、人工授精に成功。ふ化した稚魚のうち約20尾が50日間生き残り、2センチほどに育った。ふ化して成魚に育つまでに約1年、卵を産むまでにさらに約2年かかる。 ウナギの国内消費の99%は漁獲した天然の稚魚「シラスウナギ」をいけすで育てる養殖だ。だがシラスウナギの漁獲量が激減し、養殖