もがき続ける88歳 ギリヤーク尼ヶ崎が考える人生、そして今後路上で踊り半世紀、伝説の大道芸人はどう壁を乗り越えてきたのか タイムアウト東京 > アート&カルチャー > もがき続ける88歳 ギリヤーク尼ヶ崎が考える人生、そして今後 テキスト:鷲見洋之 写真:豊嶋希沙、鷲見洋之 目を閉じて、90歳を目前にした自分を想像してみる。浮かんでくるのは、孫や飼い犬などに囲まれ、のどかに過ごす姿―。実際のところどうなるかは置いておいても、多くの人がこうした、人生の荒波をくぐり抜け、穏やかな境地に達した姿を思い描くのではないだろうか。 だが、今年米寿を迎えたこの大道芸人は違う。病に抗い、目の前の公演がうまくいくか戦々恐々としながらも、駆けつけてくれる人々のために必死に自分と向き合っている。ギリヤーク尼ヶ崎(88)は、荒波の真っただ中にいる。ファンのため、亡き母のため、日本のため、未だ踊り続けるギリヤーク