新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、8日で1年。日常生活は平時に戻りつつあるが、依然として流行の波を繰り返している。厚生労働省が4月に発表した最新の人口動態統計(概数)によると、昨年5~11月に計1万6043人が新型コロナで死亡。専門家は「命を落とす人がいることを改めて理解して」と訴える。政府は法改正や新組織発足を進め、次の感染症危機に備える。 今年4月以降は、治療薬や入院費の負担が増え、医療機関への受診控えも危惧される。 マスク着用といった感染対策は今後も状況に応じて求められる。国立病院機構三重病院の谷口清州院長(小児感染症学)は「国民が適切な感染対策を取るためにも、政府は重症化率や入院後の死亡率といった感染の実態が分かる情報をこまめに知らせるべきだ」と指摘する。 高齢者や基礎疾患のある人は重症化リスクが高い。同じ5類の季節性インフルエンザは、2019年の年間死者数が
インフルエンザと新型コロナの感染者数が増加し続けています。定点医療機関あたりの感染者数が1人を超えるとインフルエンザは流行期とされるため、これまで定義上のダブル流行は存在していたのですが、今回ほど本格的にダブル流行するのはコロナ禍以来初めてのことです。医療現場では、再び「肺炎」を発症する方が増えています。 現場はほぼ「警報」レベル現在、新型コロナの変異ウイルス「JN.1」が猛威を振るっていますが、インフルエンザも流行がおさまらないままリバウンドが始まりました。実質的にダブル流行の状態となっています。 定点医療機関あたりの感染者数は、新型コロナ16.15人、インフルエンザ22.62人とかなりの数にのぼっています(図1)。 図1.定点医療機関あたりのインフルエンザ・新型コロナの感染者数(参考資料1、2より筆者作成) 定点医療機関というのは、全国の代表的な約5,000の内科・小児科の医療機関のこ
新型コロナウイルスに感染した子どもがまれに発症する急性脳症について、国の研究班が調査したところ、インフルエンザなど従来のウイルスではほとんどみられなかった重症になりやすいタイプの患者が10%以上いたことが分かりました。 この調査は東京女子医科大学の高梨潤一教授を中心とする厚生労働省の研究班が行いました。 研究班は、2022年11月までに、新型コロナウイルスに感染し、急性脳症と診断された18歳未満の子ども103人を調査しました。 このうち、発症した急性脳症をタイプ別に分析したところ、インフルエンザなど従来のウイルスでもよく見られるタイプが全体の26%にあたる27人で最も多かった一方で、新型コロナの流行前には非常に頻度が低かった重症になりやすいタイプが全体の13%にあたる14人いたことが分かりました。 重症になりやすいタイプの患者14人のうち11人は死亡していたということです。 研究班によりま
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