もちろん『天気の子』についても、早くも記録している大きなヒットに比例するように多くの批判はある。今回の焦点はやはりラストの描写だろう。(ネタバレになってしまうが)晴天と引き換えに体を蝕まれて行くヒロインを救った代償として、東京には異常気象が続き、ついにはゆるやかな時間をかけて水没し、首都としての機能を失うことになる。それは『君の名は。』で隕石の衝突による地域社会の消滅を描いて批判を受けたことの裏返しにもみえる結末だが、「無責任だ」「セカイ系的な自意識のために社会を犠牲にしている」という批判はやはり出ている。新海誠監督と川村元気プロデューサー、野田洋次郎氏らの間で激論が交わされたことがツイッターで明かされ(7月19日公開の映画にも関わらず、ストーリーの議論をしていたのは6月末である。川村プロデューサーは生きた心地もしなかっただろう)あまりにも完成が遅れたためメディア向けの試写会も一切行われな