70〜80冊はあるだろうか。同文庫の入り口に設置されたラックには、東北大学病院の広報誌『hesso(へっそ)』から、佐賀と長崎が共同で手がける観光情報誌『SとN』まで全国のZINEが並ぶ。しかも無料で持ち帰っては申し訳ないほど、どれもクオリティーが高い。そしてラックを見回すと、初見のZINEがいくつもある。 このラック、一利用者である筆者が見かけるようになったのは、ここ最近である。なぜ、ZINEを置くようになったのだろうか? 大宅壮一文庫の事務局長 富田さんと同文庫職員の岡さんに伺った。 大宅文庫来館者へのサービス 富田「ZINEを置き始めたのは昨年の6月ごろです。無料ですし、来館される方にも楽しんでいただけるだろうということで置くことになりました」 ネットで検索が容易にできることや出版不況で利用者が減り、近年大宅壮一文庫は経営難に陥っていた。同文庫は運営内容を一部変更、クラウドファンディ