『いだてん』の職場が襲われた、二・二六事件 大河ドラマが描いた/描かなかった朝日新聞社 その5 前田浩次 朝日新聞 社史編修センター長 1936年(昭和11)の二・二六事件では、政府要人たちを殺害した兵士たちの一部50人ほどが、2月26日の午前9時ころ、東京朝日新聞社を襲撃した。NHK大河ドラマ『いだてん』で描かれたその襲撃シーンをめぐって、報告する。 リリー・フランキーが演じた緒方竹虎、その時、彼は 二・二六事件で襲撃された直後の東京朝日新聞社編輯局。ただしこの写真が1966年の社内報に掲載された時には「二十六日の午後の一情景」という説明が付いている。手前の背中が主筆の緒方竹虎、その右が編輯局長の美土路昌一 早朝5時半ころ、大蔵省営繕管財局総務課長の家に、高橋是清蔵相が殺害されたとの知らせが入る。その妻が夫の弟である東京朝日新聞の整理部員に、部員は整理部長に、そして整理部長が幹部と社の宿