医療現場の効率化を図る電子カルテの「権威」とも呼ばれた東大教授に、国の研究費をだまし取った疑いが浮上した。 25日、東京地検特捜部に詐欺容疑で逮捕された秋山昌範容疑者(55)。医療のIT化に情熱を注いできた教授の突然の逮捕に、大学や医療関係者からは「信じられない」と驚きの声が上がった。 ◆斬新発想、天才肌 「医療とITの世界をつなげた、まれな才能を持つ人。突然の逮捕で驚いた」。秋山容疑者と10年近い付き合いのあるIT企業の社員は、こう話す。 出会った頃の印象は「エネルギッシュで、情熱的な人」。秋山容疑者がかつて勤務していた国立国際医療研究センター病院(東京)でIT技術を使った医薬品発注システムを導入したと聞き、話を聞きに行くと、「薬の発注から患者への投与までバーコードで管理する。入力不要だから、医療過誤をなくせる」とまくしたてるように力説したという。 秋山容疑者が医療IT化の分野で有名に