初めは一目惚れだった。 周りが見えない俺はいつものごとく暴走してて、やっぱり相手に引かれてた。 あーあ、またやっちゃったなーとか反省する暇もなく過ぎていく毎日。 きっと『過去にあんなことあったよねー」とか笑い合える日が来るんだろうけど、その人の傍には俺はいないんだと思った。 でも俺は諦めなかった。 顔を合わせる日には必ず下らない事で笑わせられるようにして、でもそれ以上近づこうとはしなかった。 その時はこの人には彼氏がいる事は知っていて、その相手もなんとなくわかっていた。 だからこそ、それ以上近づきたくなかったし、相手もそれを望んでいると思っていた。 みんなでカラオケに行った。 頭ごなしに否定から入る頭の悪い上司と、キレ者だけどあんまり信用できない先輩と、俺と、貴方と。 他の女の子の話をしてくる先輩にすごく焦ったり、自分の持ち得る中で最高の18番を歌いきり、そしてそれとなく、貴方が俺を見てい