世界最高水準の研究力を目指し、巨額の資金を投じる大学を国が認定する「国際卓越研究大学」制度の是非を考える緊急シンポジウムが29日、東京大学本郷キャンパス(東京都文京区)で開かれた。大学運営への政財界の介入を危ぶむ大学教員らの横断ネットワークが主催。「学問の自由は基本的人権の一部」とし、政財界の思惑に縛られない大学政策の重要性を訴えた。 「『稼げる大学』はどこへ行く?」と題したシンポジウムは、卓越大の運営方針を決める際に学外委員の賛成を要件とする文部科学省の方針が明らかになったのを受けて開かれた。昨年末成立した改正国立大学法人法は、大規模な国立大学に同様の「運営方針会議」の設置を義務付けている。他の大学でも、財界人が想定される学外委員の権限強化が懸念されている。 大学教員や市民ら約60人が参加した会場では、パネリストで東大の本田由紀教授が、先進国では異例なほど高等教育の私費負担が大きい教育行