「女性のお客様って、私、初めてです〜」 玄関を開けた彼女は開口一番にそう言った。 メンズエステのセラピストとして働くそのひとは、年齢は私と同じくらいか、少し上くらいだろうか。ブログで紹介されていた写真では分からなかったが、包容力のありそうな雰囲気を持つ、エキゾチックな顔立ちの女性だった。大きなフリルが斜めにあしらわれた、ナース服のような白いワンピースがよく似合っている。 私が指名したのはこんな人だったのかぁ、と感慨深くなりながら玄関で靴を脱ぎ、そのマンションの一室に足を踏み入れた。 男性向けの、セクシーさを売りにしているマッサージ店に「お客として行ってみたい」という気持ち自体