最終出社日は4月26日になった。金曜日。平成最後の平日だ。 会議が長引き、思ったより会社を出る時間が遅くなってしまった。友人たちとの約束には間に合うだろうか。慌ただしい最終日だ。 でも、それでいい。ひとりでいたら感傷的な気持ちになってしまう。 別に、職場が嫌になって辞めるわけではない。これまで、学校や習い事のほとんどは、引っ越しのような「やむを得ない事情」で辞めていた。自主的な都合でなにかを辞めることは、どうにもまだ慣れない。 4月1日月曜日の午前中、という、まるでウソなのかホントの決意なのかわからないようなタイミングで退職願を出した。 その直後に新元号が発表された。令和。そんな、新しいスタートを切るにはぴったりのタイミングでの決断だった。 私はこれまでも何度か、転職活動を始めては止める……ということを繰り返していた。 2013年春に就職し、事務職に就いて早数年。2016年頃からは、ほかの