2019年3月1日に、初著書『復興から自立への「ものづくり」』が小学館から発売となりました。2012年から取材を続けてきた、“東日本大震災後に始まった手仕事と、その背景”をまとめた本です。この機会に、ライターとして東北に通い続けた7年を振り返ろうと思います。 「写真撮りたいのでどいてくれませんか」に感じた憤りの正体私が初めて東北沿岸部を訪れたのは、東日本大震災から1ヶ月後のことでした。 参加したボランティアは「被災地とNPOをつないで支えるプロジェクト(つなプロ)」。数人のチームに分かれて車で避難所を周り、特別なニーズや事情のある方(日本語が喋れない方、妊娠中の方、持病や障がいを持っている方など)がいるかどうかをヒアリングし、該当する場合はNPOにつなげる、というものです。 全体では一定の成果を挙げていた活動でしたが、私のチームが訪問した牡鹿半島や女川の避難所では既にそういった人たちの元に