立川、国分寺両市の境界付近から大田区の田園調布付近まで約三十キロ続く国分寺崖線(がいせん)。「はけ」と呼ばれる崖の斜面は豊富な湧水で知られ、樹林が多く残る自然の宝庫だ。十年前から都公園協会などが春と秋に武蔵野地域の公園・緑地で散策イベント「森の地図スタンプラリー」を続けてきた。この秋のテーマは「湧水と多摩川をめぐる編」。二十カ所のラリーポイントの中から、「東京の名湧水57選」に選ばれた場所を訪ねてみた。 最初のラリーポイント武蔵国分寺公園から二百メートルほど南の国分寺市立歴史公園を過ぎ、森の中の八十段の階段を下りる。弁財天の赤い鳥居が目に飛び込んでくる。「お鷹(たか)の道・真姿(ますがた)の池湧水群」だ。