北海道・知床半島沖の観光船遭難事故では、佐賀県有田町の男性3人が乗船していた可能性がある。このうち1人は遭難直前とみられるタイミングで、妻と電話で話をしていたという。25日、西日本新聞の取材に応じたこの男性の親族は通話内容の一部を明かした。 【写真】観光船事故犠牲者の遺体が安置された施設に入る関係者=25日 男性と妻が会話したのは事故当日の23日午後。親族は「妻に『今までありがとう。お世話になったね』と伝えたと聞いた。覚悟したんでしょうね。船が沈むって思ったんでしょうね」と言葉を詰まらせた。 3人のうち別の男性(75)とグラウンドゴルフ仲間という女性(88)=同町=は「自治会長を務めたこともあり、しっかり者で頭が良い。いつもグラウンドゴルフ場まで車に乗せてくれた」と親切な人柄を語った。付き合いは60年以上に及ぶといい「早く安否が知りたい。助かってほしい」と祈るように話した。 関係者によると