親からのネグレクトが理由で、生後4か月のときに保護される ――山本さんが乳児院に入るまでの経緯を教えてください。 山本昌子さん(以下、山本) 生後4か月のとき、親からのネグレクト(育児放棄)が理由で、乳児院に保護されるに至りました。 母親が私を残して家を出て行って、それにもかかわらず父親は私を放置していたらしくて。父の姉が心配して見に来てくれたときには、かなり衰弱していて。救急車で病院に運ばれたとき、医者から「あと1~2時間遅ければ死んでいた」と言われたそうです。 ――それで保護されたんですね。 山本 はい。父と母は年齢が20歳も離れていて、私が生まれたとき、父は47歳でした。結婚後は父の実家で暮らしていたのですが、そこは由緒ある家柄で。しかも長男だったんですね。なので「男は家を守る」という家父長制的な考え方も強く、育児や家事は母にすべて任せていたようです。 年齢が離れていることを理由に、