俗に「一本調子」と言われる方言がある。茨城弁や栃木弁が代表格で、手品師のマギー司郎さん(茨城県出身)や漫才のU字工事(2人とも栃木県出身)の話しぶりを思い浮かべると分かりやすい。この言葉の調子は、すべての単語にアクセントの決まりがない「無型アクセント」によって、もたらされている。 東京の言葉が基になっている共通語では、言葉のどこを高く発音するか、低く言うかというアクセントが単語ごとに決まっている。「橋」は、「ハ」よりも「シ」の方を高く発音し、続く「が・を・に」などの助詞は、「シ」よりも下がる。この通りに発音しないと、「箸」や「端」に聞こえてしまう心配もある。 【写真を見る】茨城に栃木、宮崎の「一本調子」は訛ったなれの果てか?オリジナルの日本語か? いわゆる関西弁ではどうか。やはり「橋」を例にとると、「ハ」が高く、「シ」と、それに続く助詞は低く発音される。東京とは異なるアクセントだが、「アク
呪文を正しく唱えるために僧侶が工夫 「あいうえお」の段順、「あかさたなはまやらわ」の行順は、インドの字母表の配列に従ったものです。密教の僧侶たちは、真言・陀羅尼などの呪文を梵語で正しく唱えるために、熱心にインドの文字を勉強しました。梵語の発音は非常に複雑で、文字数が7,000以上もあり、元の字母表も長大なものでした。五十音図は、それを日本語に合わせて簡略化したような組み立てになっています。 梵字の字母表の冒頭には母音が並びます。まずa ā i ī u ū の基本的な母音、次にe ai o auという二次的な母音が配列されます(以下、話を単純化します)。日本語の仮名一字で書けるものを拾い出すと「あいうえお」の段順ができます。二列目以降には、母音の前に子音を加えた文字が並びます。最初の子音はkなので、二列目にはka kā ki kī ku kū ke kai ko kauが配列され、日本語に移
今回は「異体字」についてお話しします。すこし専門的な部分もあるので、適宜不要な部分は読み飛ばすことをお勧めします。 こんな問題から始めてみましょう。世田谷区の区章とその説明文は以下のように書かれています。 外輪の円は区内の平和、中心は「世」の文字が三方に広がり、人びとの協力と区の発展を意味しています。(世田谷区の紋章、シンボル | 世田谷区ホームページより) 「中心は『世』の文字」とありますが、そうは見えません。なぜこのような形なのでしょうか。 前回の記事 本記事は連載形式で、前回の補足のような内容になっています。前回の記事もご参照ください。 shokaki.hatenablog.jp クリックで目次の表示/非表示 前回の記事 異体字とは 異体字の認識 異体字の使われ方 どこまでが同じ漢字か 誤字か異体字か 異体字はどうできるのか よく使う字は略字化する 画数の多い字は正確でなくても読める
この場合のレンジはれっきとした調理器具の名称です。 下がオーブン、上が鉄板になっていて、鉄板の上に鍋やケトル、フライパンなどをおいて調理する複合機器。イギリスをのぞく欧米ではRange イギリスではCooker という。 オーブンが普及していない日本の家庭で見かけることはすくないが、日本でもレストランの厨房にはふつうにある。 rangeの語源はrank. 並べるの意。中世の欧州では暖炉が調理場を兼ねていたが、15Cころ暖炉から出島のように飛び出す形の、調理に特化された小型かまどが生まれた。暖炉と並んだ調理設備なのでrangeと呼ばれた。初期のレンジは熱源を暖炉と共有していたがまもなく別の火口を持つようになった。 時代を経て調理の場所が暖炉から分離、調理専用の設備ーキッチンに組み込まれる。このとき以来レンジは暖炉のつづきではなくキッチンに設置され暖炉とは別の歴史を歩みはじめる。暖炉から分離し
拾萬字鏡🐦 @JUMANJIKYO トチギ県のトチが「栃」になったのは太政官印に「栃」の文字が使われていたのをきっかけに明治5年に通達が出たのが始まりでそれまでは「杤木」とか「橡木」とか書いていたんだが、杤などはトチの国字として長く使われているのになぜ異形で奇字の「栃」が正式採用になったのか今だによくわかってない。 2022-09-30 00:09:53
ツイッターで話題に 本人に話を聞きました 本当に伝えたかったことは… 「見れる」「食べれる」といった「ら抜き言葉」。一部の人には評判があまりよろしくない使い方ですが、文化庁の2015年度「国語に関する世論調査」では、「ら抜き言葉」を使う人が、使わない人の割合を初めて上回りました。 ツイッターで話題に 最近、ら抜き言葉に関するツイートが話題になりました。11月3日に投稿された「島田教授の日本語史講座、面白すぎる! 『ら』抜き言葉で抜けてるのは『ら』じゃなかった!」。 講義資料のパワーポイントを映したスクリーンの写真と一緒に投稿されたこのツイートは、3万3千件以上のリツイートを獲得しました。抜けているのは「ら」ではないというのはどういうことなのでしょうか? 島田教授の日本語史講座、面白すぎる! 「ら」抜き言葉で抜けてるのは「ら」じゃなかった! pic.twitter.com/cYLm0dxvl
平安時代になってから桜になった、のではなく、『万葉集』の一時期に集中して梅が詠まれたのです。 梅は7世紀の後半にその実を食用・薬用にする為に中国から輸入されたものだと言われていますが、『古事記』や『日本書紀』・『風土記』では確認できず、『懐風藻』に収められた「春日翫鶯梅」と題された葛野王の作が、梅を詠んだ最古とされています。 『万葉集』で梅が詠まれた歌は約120首ありますが、時期的には天平期(729~749年)に集中していることが特徴です。 詠まれた梅の多くは、大宰府の梅や貴族の家の庭の梅であり、特に大伴旅人が主催した太宰府での梅花宴では、一挙に梅の歌が30首以上歌われているわけですが、ここで歌われている景物表現として、「梅花」・「青柳」・「雪」・「鶯」などの語が多く使用されています。 これらの景物は詩の素材としてのものであり、多くがその景物を取り合わせて詠んでいることからも、中国詩の知識
(第253号、通巻273号) 今年の文化勲章受章者の1人、作家の丸谷才一氏が岩波書店の『図書』11月号「無地のネクタイ18」に「呉音と漢音」と題してこんな話を書いている。「中学1年生のころ、呉音と漢音のことが気になって仕方がなかった。同じ『今』でも古今集の場合はコキンで、古今東西のときはココンとなる。キンが漢音でコンが呉音なのはわかるが、なぜ古今集をココンシュウと読まないのか」。 丸谷氏が少年時代から抱いていた疑問が70年数年後、高島俊男氏の『ことばと文字と文章と』(連合出版)を読んで氷解したという。この本そのものはまだ私は目を通していないが、「呉音と漢音」について興味をそそられたので、たまたま手近にある高島氏の著作の中から『漢字と日本人』(文春新書)を見つけ、ほかに『日本の漢字』(笹原宏之著、岩波新書)や漢和辞典、百科事典などにも当たって漢字音について調べてみた。 漢字の読みの区別として
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