法規制を順守する姿勢が欠けており、法規施行当初から不正に手を染めていた。 認証試験専用のECU(試験用ECU)で立ち会い試験に臨んだ点には、排出ガス性能を操作する意図が疑われる。 豊田自動織機にはエンジンの量産メーカーが備えるべきコンプライアンスだけではなく、技術力とノウハウも不足している。 「量産メーカー失格」─。豊田自動織機の不正について、自動車技術に詳しい専門家は異口同音にこう評価する。その不正の中身を見ると、エンジンを生産するメーカーとしての体を成していないことが分かる。同社はフォークリフト用エンジンに対して排出ガスの法規制が施行された当初から不正に手を染めていた。これにより、少なくとも16年間、不正を継続・隠蔽していたことが特別調査委員会の調査で判明した。 専門家が豊田自動織機に量産メーカー失格の烙印(らくいん)を押す理由は2つある。第1の理由は、法規制を順守する姿勢が欠落してい