お約束どおり、「びっくりうどん」のつづきである。 我々は、興奮状態のまま、物置を出た。考えを整理しなければならない。 (この「中村」なるうどん屋・・・いったい・・・) 私が腕組みをする横で、嬉野くんが、ハタと思いついたように言った。 「ここが・・・中村なんだよね?」 「えっ?」 そうだ。言われてみれば確かに、物置にかかったのれんに店名はなく、朽ち果てた看板には「インテリアカーテン・スマイル」と書かれてあった。 (うどん屋「インテリアカーテン・スマイル」か?・・・長いな。) 「いや!やっぱり中村だ!」 嬉野くんが、物置の横の住宅を指差して言った。 「ほんとだ・・・中村って書いてある」 玄関の表札には「中村」と、書かれてあった。 「そして、どうだ藤村くん・・・この家、わりと新しいぞ」 「確かに・・・」 物置の横に建つ中村さん家は、わりと新築で、そしてわりと立派だった。 「きっと、うどんで儲けた