50年前に書かれたドラッカーの『現代の経営』、70年間培われたトヨタ式経営。この2つの間には、驚くべき共通点があった。『ドラッカーとトヨタ式経営』の著者・今村龍之助氏が、トヨタ式経営とドラッカーとの知られざる関係性について語る。 トヨタ式経営は脱常識の経営といわれるが、常識を基本に着実にやるべきことを粛々とやり続けていることがわかってくる。脱常識とは、問題解決をするときに、従来の延長線上で解決策を探すのではなく、大胆な発想の転換で解決策を見つけていくことをすすめているのである。 トヨタ式経営は、お客様の視点を大切にし、原材料や工具・機械などの「目に見える資源」についてはムダを徹底的に排除して有効に利用している。やる気や創造性といった「目に見えない資源」はできるだけ多く引き出し、時間のように「平等に与えられている資源」は誰よりも有効に使うことを考え抜いた経営方式である。 トヨタ自動車は