エゾカンゾウに唐辛子液を吹きかける「雨竜沼湿原を愛する会」のメンバー=2020年7月4日、雨竜町雨竜沼湿原(同会提供) 【雨竜】空知管内雨竜町にあるラムサール条約登録湿地・雨竜沼湿原の清掃美化活動に取り組むボランティア団体「雨竜沼湿原を愛する会」は、エゾシカの食害に遭うエゾカンゾウの花に唐辛子液を噴霧した後、食害が低減したとする報告書をまとめた。同会は、わなの設置などに比べて噴霧作業の方が導入しやすい対策と指摘し、「食害に苦しむ他の湿原でも積極的に活用してほしい」と呼びかける。 雨竜沼湿原では2013年に初めてシカの存在が確認され、エゾカンゾウの花が食い荒らされている現場を同会が見つけた。道立総合研究機構(道総研)の昨年の調査では花の食害率が99%に上り、種子繁殖のできない期間が続くことで、個体数の減少につながるとの懸念が高まっている。