ネズミにする? それともコウモリ? 料理人が、血のついたネズミとコウモリの死骸を、私の顔の前にぶら下げた。 ここはベトナム南部、カンボジアとの国境に近いメコン川沿いの街、チャウドック。普段ならどちらも遠慮するところだが、間もなく新年を迎えるに当たり、ちょっとした食の冒険も、自然なことのように思えた。(参考記事:「コウモリの血を飲む民間療法、毎月数千匹が犠牲に」) 私はネズミを選んだ。この辺りのネズミは地下鉄の構内を走り回っているわけではないし、何となくコウモリよりおいしそうに思えたからだ。コウモリの味はわからないが、お祝い料理としてフライにされ、かごに入れられて出てきたネズミは、実際、とてもおいしかった。