バッタ博士こと、前野ウルド浩太郎氏の待望の新著『バッタを倒すぜ アフリカで』が 4月17日に発売になるそうです。 こちら、取り急ぎご紹介します。 バッタを倒すぜ アフリカで (光文社新書) 作者:前野 ウルド 浩太郎 光文社 Amazon 読みましたら、レビューしたいと思います。
ちょっと気を抜くと、あっという間に月日が過ぎ去ります。 前回の更新が二年前やんかー! ということで、すごく久しぶりのブログ更新となりましたが、 前作『バッタを倒しにアフリカへ』の続編となる新作 『バッタを倒すぜ アフリカで』が光文社新書より出版されることになりました! (桜の満開にタイミング合わせられず、すでに桜は散っております) オビにあるように、自分の婚活がままならないというのに、人様バッタ様の婚活システムの謎を解き明かそうとするアカデミックな学術書に本作はなっています。 私生活において、婚活しても結婚できるとは限らないことを痛感しておりますが、 本作は、ただひたすらに、すごくすごく学術書です。 恥ずかしながら、40歳を超えると、一人でいると寂しさを感じるようになり、これはイカン(遺憾)ということで、本をカキカキ、寂しさを紛らわせておりました。 前作よりも販売価格が上がり、約1.5倍の
「既存の農業・畜産が環境を破壊している。だから水田を潰し、培養肉や昆虫食を普及させせよう」今年のダボス会議でもこういった主張がなされ、SNS上では批判が集まっている。経済アナリストの森永卓郎氏と、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏の対談書『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(講談社+α新書)から一部を抜粋・再編集してお届けする。 連載第1回前編 環境のために「昆虫」を食べるべきなのか 食料価格の高騰で、「コオロギ食」や「培養肉」が注目を集めている。 2022年11月に徳島県のある高校でコオロギパウダーを使った給食が提供され、話題になった。 コオロギをはじめとする昆虫食は食料問題の解決策として近年注目を集めている。牛肉など食肉の生産には、大量の穀物飼料が必要で、貧困国の食料問題を悪化させるほか、地球環境に悪影響を及ぼすとされる。 また牛のゲップにふくまれるメタンガスが、地球温
こんにちは、編集部 石川です。 隔週でお送りする「ベスト3を発表します」のコーナー。デイリーポータルZのライター陣に、何でもいいからベスト3を決めてもらうコーナーです。 今日はハブをはじめとした生き物記事を多数執筆している伊藤さん。「取材で使う実用図鑑」ベスト3を聞きました。 伊藤さんが選ぶ「取材で使う実用図鑑」おすすめベスト3 ――取材のときに図鑑は必需品ですか? 伊藤:そうですね。ハブを探したり、識者の方と動植物を観察したり、そのへんを散歩したりとフィールドワークの記事を書くことが多いんです。そこで見つけた生き物などをサッと調べるのに重宝しまくっています。 ――今回のセレクトのポイントは? 伊藤:ひとくちに図鑑といっても実に多様なんです。写真や図版がめっさきれいだったり、ある分野に特化して読み物として楽しかったり。 いろいろ推したいものはあるのですが、今回は「よく見かけるけど実はよく知
昆虫は地球上に100万種いるといわれるが、近年猛烈なスピードで数を減らしている。書籍『絶滅危惧昆虫図鑑』は、アメリカ自然史博物館が所有する2000万点の節足動物の標本から、絶滅またはその危機にある昆虫40種を選び、300倍に拡大、1万カット以上を合成する特殊な撮影法で制作された。本書から造形がひときわ印象的な3種を選び、昆虫学者の丸山宗利が監訳した解説を掲載する。 フロリダノドトゲバッタ:鎧のような体に小さな翅 環境に関心を持つ人にとっては、フロリダは観光地としてよりも、その独特の生態系や野生動物で有名である。この珍しいバッタは、そのフロリダ半島にある砂丘や低木林の中に生息している。多くのバッタは飛ぶことができるが、この種は翅がとても短いため、飛ぶことができない。その代わり、歩くか、強い後ろ脚で砂地に生えた草を飛び越える。 フロリダ州の低木地帯は、おそらく15%程度しか残っていないため、本
招かれた天敵――生物多様性が生んだ夢と罠 作者:千葉聡みすず書房Amazon 本書は進化生物学者千葉聡による天敵を利用した生物的防除の歴史を扱う大作.千葉は「歌うカタツムリ」でカタツムリを題材に淘汰と浮動の進化観をめぐる壮大な進化学説史を語ってくれたが,本書では生物的防除の成功と失敗の歴史を滔々と語り,そのストーリーテラーの才能をまたも披露してくれている. 序章にあたる「はじめに」では,「自然」という著しく複雑で多様な系に対して科学の手法であるモデル化で対応することの限界とリスクが指摘され,より良い解決を望むなら歴史を知ることが有益ではないかと示唆されている.本書は有害生物防除についての歴史を知るために書かれているのだ. 第1章 救世主と悪魔 冒頭はレイチェル・カーソンの「沈黙の春」から始まる. 1939年に殺虫効果が発見されたDDTは人体への危険がほとんどないと認識され,マラリア撲滅の切
丸山宗利 Maruyama🍥 @dantyutei 明日から松本で昆虫学会。かなり昔に市内の定食屋に行った時、卓上のソースの中にウジ(ハエの幼虫)がたくさんいて、ほかのお客さんは気にせず(気づかず)ソースを使っていて、口には出さなかったが、気になった。ソースに住めるハエにはいくつか候補があるが、今回採集して突き止めたい。 2022-09-02 07:31:16 丸山宗利 Maruyama🍥 @dantyutei 気になって見たら、店内の他のソース差しにもウジがいて、液面と蓋の間の内面を元気よく這い回っていた。そしてお客さんは気づかずトンカツにかけている。虫好きじゃない人から「最近虫いないですよね」なんてよく聞くけど、単純に多くの人が小さな生き物の存在に気づかなくなっているのだと思う。 2022-09-02 08:55:21
この『サイレント・アース』は副題に入っているように、殺虫剤や農薬などの化学物質の危険性を訴えた「沈黙の春」の昆虫をテーマにした現代版とでもいうべき一冊だ。 著者によれば、いま世界から昆虫の数が急速に減少しつつあるという。温暖化など環境の変化もあるうえ、森林の伐採など問題は絶えないから、昆虫の数が減っていること自体に違和感はない。では、具体的に何が原因で昆虫は減っているのか? 気候変動の影響? 農薬や殺虫剤の影響がいまなお残っているのか? その全部が複合しているのか? そもそも、昆虫の数は数はあまりに多いので正確に把握されていないとよくいわれるが、数が減っているのは本当なのか──など、昆虫の現在の苦境を中心軸において、無数の問いかけを本書では扱っていくことになる。 昆虫がいなくなると何が問題なのか? 昆虫が消えてなにか問題があるのか? と思う人もいるかもしれない。蚊やゴキブリが消えたらせいせ
やなぎさわ・しずま/1995年生まれ。東京都出身。幼いころから生き物が好きで、専門学校卒業後は静岡県の昆虫館・磐田市竜洋昆虫自然観察公園に入職。ゴキブリの魅力に気づいた後は同園で『ゴキブリ展』を企画・運営し、「GKB総選挙」などのユニークな催しで注目を集める。2020年、所属する研究チームとともに、35年ぶりとなる日本産ゴキブリの新種・ウスオビルリゴキブリ、アカボシルリゴキブリの2種を発表。企画展示、講演会、SNSやブログを通じ、ゴキブリの魅力、生物保全の重要性について発信を行っている。 ゴキブリ研究はじめました 嫌われ者のゴキブリだが、その姿を知ることで、彼らに対する見方は大きく変わるはずだ。「大好き!」とはならなくても、得体のしれない怖さは減らすことができるかもしれない。磐田市竜洋昆虫自然観察公園の職員・柳澤静磨氏の著書『ゴキブリ研究はじめました』(イースト・プレス)から一部抜粋し、そ
タイトルを見ただけで楽しくなっちゃうし(うんうん、そりゃあ昆虫学者は挙動不審にもなるよねw)、装丁に描かれた昆虫たちがまた、妙におかしい!(人間もかなりおかしいけどね!!) 著者のコマツ博士は、信州のとある大学(←と、本文に書いてあるw)で博士号を取得後、いくつかの施設で昆虫研究者として働き、最後は某(上野の)国立科学博物館で研究員(無給)として働いたのち、現在はフリーランスの昆虫学者として、家事育児を担いながら記事や論文を執筆しつつ、昆虫と触れ合うために精力的にフィールドワークを続けているという、骨の髄まで「昆虫ラブ」な昆虫マニアでいらっしゃいます。 本書に登場する昆虫たちは、繊細で美しく(←わたしの主観ですw)、ときにホラー(第一章に出てくるスズメバチネジレバネのメス。まじホラーだから、ここだけでも読んでみて!)。次々と登場する魅力的な虫たちの生態バナシだけでも引き込まれるし、コマツ博
「人間を生き残らせた出来の悪い足」という副題と、次の瞬間にはネコ科大型獣の餌食になるという惨劇を予想させる表紙カバーの絵に興味を引かれて、ふと手に取った本でした。序論と第一章では、二足歩行に対するわれわれの思い入れの強さが指摘されていて、ぐっと内容に引き込まれました。ところが54ページまで読み進めたところで、重大な問題にぶつかってしまったのです。そこにはこう書いてありました。 キリストトカゲにせよヴェロキラプトルにせよ、二足歩行の利点とは要はスピードだと思われる。ゴキブリでさえ、非常時には二本足で立ち上がって全速力で走る。 「ちょっと待て!」とわたしは思いました。ゴキブリは短距離ならば飛びもするし、普通でさえ、かなりのスピードでササササと走りまわりますよね。そこからさらに速度を上げるために、よりによって二本足で立ち上がって走ると!? いやいや、それはありえないでしょう。 第一に、ゴキブリの
「現代のレイチェル・カーソン」による警告!『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』8月30日発売【予約受付中】昆虫なしでは、この世界は成り立たない。危機を食い止める具体的な行動指針を示す、現代人必読の書! 人間は様々な理由で昆虫を必要としています。しかし、世界中で昆虫の数はこの50年で75%以上減ったとみられており、今も減少を続けている……すぐに手を打たなければ、全人類の豊かな暮らしをも脅かし、世界は動きを止めるでしょう。昆虫学者が、危機を食い止める具体的な行動指針を示す、現代人必読の書『サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」』がNHK出版より8月30日に発売されます。 本書はまさしく「昆虫たちの羽音が聞こえない沈黙の春」への警告だ。 レイチェル・カーソンが、『沈黙の春』で「鳥の鳴き声が聞こえない春が来る」とDDT(有機塩素系の殺虫剤、農薬)の危険性を訴えたことにより、その使用が
――本当に暑いですね。さすがの小松さんも野外での昆虫観察はお休みですか? 「いえ、へばっている暇などございません。今の時期、日中はトゲアリの巣にやってくる珍しいハナアブを観察し、夜は夜で沼地のヨシ原でゴミムシとガを観察しています」 ――ところで、こんなに暑いのにいまだにセミが鳴かないのは、何か理由があるのですか? なんか天変地異の前触れみたいで、気になるんですが……。 「セミに限らず、昆虫が成長するためには温度の積み重ねが必要なんです。これを有効積算温度といいます。昆虫は変温動物ですから、外気温の変化に左右されるんですね。種によってその有効積算温度は違いますが、幼虫やサナギから羽化するまで、トータルで一定の温度を積み重ねなければ成虫になれない。しかも有効温度帯というのもあって、極端に寒かったり、逆に暑かったりすると、それはカウントされないんです。今年の春先は例年にも増して寒かったですから、
DVD付き学習図鑑史上初!スマホやタブレットPCでいつでもどこでも楽しめるオンライン動画配信付き! 学研の図鑑LIVE公式サイト 1970年に創刊した「学研の図鑑」は、2020年に50周年を迎えました。時代の変化に合わせて進化を続け、2014年からは「学研の図鑑LIVE」シリーズとして、幅広い世代にご愛顧いただいております。 そして2022年6月、子どもたちに今最も新しい「図鑑体験」を提供するために「学研の図鑑LIVE」シリーズは、「学研の図鑑LIVE 新版」として大リニューアルをいたします。はじめに『昆虫 新版』『恐竜 新版』『危険生物 新版』の3点を発売します。 図鑑本体は、シリーズ総勢70名以上の専門家のこだわりが詰まった内容になっています。さらに、動画視聴やAR、アプリなどのデジタルサービスもパワーアップ。 子どもたちの“もっと知りたい”を、120%叶える図鑑が誕生しました。 ●『
シロアリの女王の仕事は卵を産むことのみ シロアリという名前であるが、実際にはアリの仲間ではない。アリは昆虫の中では進化したタイプであるのに対して、シロアリは、3億年前の古生代から今と変わらない姿をした「生きた化石」と呼ばれるほどの古いタイプの昆虫である。シロアリはゴキブリ目に分類されていて、アリよりもゴキブリに近い昆虫なのである。 シロアリは、1匹の王である雄アリと女王アリのつがいと、オスとメスからなる働きアリや兵隊アリでコロニーを作る。そのコロニーは、種類にもよるが数十万匹から100万匹を超えるような巨大な集団となる。 女王アリの仕事は卵を産むことである。女王アリ以外のメスのアリは卵を産むことができない。女王アリは、日々たくさんの卵を産んでいく。その卵からかえった働きアリたちは、かいがいしく働き、王国のために尽くすのだ。 もちろん、女王アリが、自ら餌を集めたり、部屋の掃除をする必要はない
「好きなことやってる人間は長生きするんですよ」これは、江戸時代に日本最古の昆虫標本を作製したことで名高い、旗本・武蔵石寿の95年の生涯(当時としてはかなりの長寿)に触れた、東大博物館の矢後勝也先生の言葉。たしかに、と思いつつ、今回の取材で会っている虫好きの方々は、みなそういう方ばかりだなとも思いました。 驚くべきクオリティの標本を老後の趣味として作っていた武蔵石寿は、言ってみれば日本最古の昆虫マニアの一人。今回の特集にも、現代の武蔵石寿と言えそうな虫マニアのみなさんがたくさん登場します。 虫に人生を捧げ、好きな虫の話になると止まらない、そんな方々の情熱を一冊にまとめた特集になりました。虫、というだけで縁遠い雰囲気を感じてしまう方もいるかもしれません。 でも実は、虫は子供の頃にはじめて出会う身近な動物であり、その形や動きを不思議に感じたり、面白いと思ったりした経験が誰でも一度はあるはず。 自
無類の昆虫好きで知られる俳優の香川照之さん(55)。「カマキリ先生」として昆虫のすごさをアピールするNHK・Eテレの番組「香川照之の昆虫すごいぜ!」も人気を集めてきた。コロナ禍で制約の多い子どもたちのためにと、番組を下敷きにした書籍「NHK『香川照之の昆虫すごいぜ!』図鑑」に取り組んだ香川さんに、昆虫観察の魅力や子どもたちへのメッセージを聞いた。 子どもの頃、じっと昆虫を見ていると -子どもの頃から昆虫が好きだったのですか。 東京・世田谷で育ちましたが、子どもの頃は畑や緑もいっぱいあって、いろんな昆虫がいました。じっと見ていると、見られていることを忘れた昆虫が本能で動くようになります。その生物本来の姿を見たいんです。卵で生まれ、親に教わるわけでもないのに、親と同じように行動するようになる本能って崇高だなと。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。 科学的な生物観察のさきがけ 1647年の今日(4月2日)、美しい昆虫絵を数多く残した自然科学者のマリア・ジビーラ・メーリアン(Maria Sybilla Merian、1647-1717)が誕生しました。 ドイツ・フランクフルトの印刷業者の娘として生まれたメーリアンは、幼いころから自然の風物と絵画に興味を持ち、自分で採取した昆虫や植物の水彩画を描くことを趣味としていました。彼女の昆虫への興味の原点は蚕であり、芋虫が美しい翅(はね)を持つ成虫へと羽化する様子に心を奪われたといいます。 メーリアンは今でいうイラストレーターや絵画教室の先生として評判を高めるかたわら、芋虫が蝶になる様子の観察を続けました。当時のヨーロッパでは、「昆虫は泥から自然発生する悪魔の動物だ
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