放射性セシウムの暫定規制値を超える牛肉が全国で確認され、国民の不安が高まっている。その3カ月前に、生肉料理を食べた幼児を含む4人が亡くなった腸管出血性大腸菌による食中毒事件も重なり、食肉全体への不信感は一層深刻化している。とはいえ、実際のリスクに伴って被り得る被害とは別に、リスクの実態のない“風評被害”がはびこっているのも事実。 食品添加物に対する風評被害もかまびすしい。「食品添加物を摂ると健康を害するのではないか」という巷の噂も科学的根拠はなく、いわゆる風評だ。食品添加物への誤解を正すべく、経済学者の有路昌彦氏がこのほど、『無添加はかえって危ない』を著した。安心するためには、食品添加物について正しく理解すること。間違った情報に惑わされて、不安に陥らないためのノウハウを聞いた。 (聞き手は日経BPコンサルティング・プロデューサー中野栄子) 問:今や、食品スーパーに行けば、「無添加食品」があ
本の紹介 233: メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 松永和紀 著、 光文社新書298(2007) ISBN 978-4334033989 科学的知見を第三者に正確に理解してもらうことは容易ではない。近年、得られた研究成果は一般に広く還元することが強く求められるようになった。研究機関や研究者にとって、成果を効果的に発信するための工夫や努力がこれまで以上に必要になってきた。有益な科学的知見をいかに活用して快適な生活を創造し様々な問題を解決できるか、発信者と受け手の相互関係が熟成されていることが望ましい。テレビ、新聞、書物などの科学報道がこの両者をつなぐ役割を担っており、一般には複雑で理解しがたいと思われる科学的知見を正確で的確に分かり易く伝えることがすべての報道における責務であろう。 科学報道は、効果的手法を駆使してあらゆる階層の意見を誘導し、社会の合意形成に関与できる立場にあ
01«1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.»03 今回と次回の二回の記事で、正しく食の安全について勉強し、本当に安心できるようになる手助けとなるであろうお勧めの本を2冊紹介したいと思います。 **** 現在農水省が遺伝子組換えダイズについてのパブリックコメント(パブコメ)を募集しています。 これに絡んで現在とある団体が提出するパブコメをまとめる為に募集しているのですが、その内容があまりに酷いという事で今話題になっています。これに関しては、次の二件の記事が参考になりますので紹介しておきます。 遺伝子組換えダイズのパブコメ募集について考える 生物に詳しくなくても遺伝子組換え作物のことが知りたい人へ 件の団体に集められたコメントを見ていると、「不安である」「安全性が確認されてな
前の記事 「ブログの時代は終わった」か:米調査 500万冊のGoogleデータで「文化の進化」を分析 2010年12月21日 社会メディア コメント: トラックバック (0) フィード社会メディア Brandon Keim 19〜20世紀の書籍における、西洋の著名思想家(ガリレオ、ダーウィン、フロイト、アインシュタイン)の言及頻度 Image: Science(以下すべて) 米Google社は、[図書館等に所蔵された書籍をスキャンすることによって]膨大な文書データを蓄積してきている(日本語版記事)が、このデータは「文化の進化」を研究する研究者にとって便利なものになる可能性がある。 ハーバード大学等の研究者たちはこのほど、Google社の書籍データの一部を5000億語からなるデータベースに変え、さまざまな言葉の使用頻度を、時間空間的に計測できるようにした。この研究成果は、『Science』誌
遺伝子組換え作物については、実験方法に問題がある結果を取り上げたり、実験結果を誤って解釈したものなど、さまざまな指摘や懸念が伝えられている。こうした指摘や懸念に対して、特定非営利活動法人・国際生命科学研究機構(ILSI Japan)が科学的な最新データに基づいて検証を行った内容をQ&A形式でまとめたのが本書。 遺伝子組換え作物の商業化が始まったのは1996年だった。それから15年。厳格な審査で安全性を確保された遺伝子組換え作物は、いまや日本の食卓を支える重要な役割を担っているといえる。 しかしいまだに「海外ではこんな現象が起きている! 日本はどうなる」とか、科学的な根拠はなにもないのに「収穫地に生えた牧草を食べた羊が死亡した」など、何度も繰り返して主張される「本当のような都市伝説」など、遺伝子組換え作物に対する懸念や不安が発信されている。 こうした懸念・不安材料に対して、科学的な証明事例や
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