Published 2023/12/29 11:00 (JST) Updated 2024/01/05 10:50 (JST) ゲノム編集技術を応用した食品が人々の関心を集めている。ゲノムはDNAの全ての遺伝情報を指し、特定の場所を人為的に切り取ると遺伝子を改変できる。今年に入り、ゲノム編集でアレルギー物質を低減した卵に関する研究成果に好意的な反応が多数寄せられた。 この技術は気候変動による食料不足といった社会課題を克服する手段になり得る。味や栄養を追求するよりも、人々の悩みを解消する目的で使われる方が消費者は抵抗を感じにくく、こうした分野から始めることが浸透の鍵になりそうだ。ゲノム編集に携わる研究者は、科学的根拠に基づく個々人の冷静な判断を期待している。(共同通信=浜田珠実) ▽社会課題の解決 厚生労働省は2019年10月、ゲノム編集食品に関する取り扱いルールを定めた。まだ食卓に普及した