少し前にX(旧twitter)でも簡単なファーストインプレを書きましたが、概ね初期エージングを終えたと判断しましたのでレビューを書きます。 この機種は本レビューとは別に後日改めて記事にしますが、初期エージングを終えていない状態(約50時間程度)ではかなり不自然な音を鳴らしていました。 軽く聴いた程度ではちょっと違和感がある程度だったのですが、実際に腰を据えて聴くと初期不良を疑ったレベルです。 ですので通常は概ね50時間程度を目安にレビューを書くのですが、今回のレビューに関しては少なくとも100時間以上は鳴らし込んだ状態の音だと思ってください。 なお、流石にこのタイミングで実使用で100時間は当然無理で、音楽を流しっぱなしにして放置していた時間が大半を占めます。 再生環境は PC > Lumin S1(Lan接続、COAX OUT) > Lavry DA-N5 > Chord Indigo
1.最も周波数レンジの幅が広いイヤホン/ヘッドホンの音質が一番良い 誤りです。 周波数レンジとは、ヘッドホンが生成する最低周波数と最高周波数を示しています。人間の聴覚の通常レンジはおよそ20Hz~20kHzとされていますが、一部の仕様はそれをはるかに超えたレンジ(5Hz~50kHzなど)を表示しており、大きな誤解を生み出しています。これは人間の聴覚をはるかに超えているだけでなく、この2つの数字の間に何が起きているのかについてはまったく説明していません。実際のところ、人間の耳は100Hz~10kHzの間の音に一番敏感なため、ヘッドホンがこのレンジ内で生成するエネルギー量の方がよっぽど重要で、20Hz以下または20kHz以上でどうであるかはさほど重要ではありません。 2.イヤホンやヘッドホンは大音量によって破損することがある 誤りです。 ヘッドホンまたはイヤホンは、それ自体の破損につながるボリ
HiBy R6 Pro II を購入して三か月ほど経ちました。 時間経過と共に新鮮さを失い、多く所有する再生機の一つとなったことで自分なりの評価が定まりました。評価が定まったにも係わらず何台もの音楽専用再生機を持ち続けるというのは愚かしくはあるのですが、その状態になりますと頻繁に手が伸びる機種とそうでない機種という違いが出てきまして、これが理屈や他人の評価を抜きにした「純粋な聴き心地の良さ基準での自己評価」となる良さがあったりします。 どれを使っても大した差がない筈なのに使用頻度に差がつくということは、心地よく感じる方へ自然と手が伸びているということです。 自分にとって真に心地よい音を奏でる機器を選択する。これは、機器を買い替えてしまっては実現出来ません。複数の機器を長いあいだ所有し続けるからこそ得られる結果です。ふと我に返り「いま何故こちらを選んだのだろう?」「こちらを選んでも別に良かっ
レコーディング、ミキシング、マスタリング、歌ってみたや演奏してみたなどなにかしらの形で音楽制作やDTMに携わったことがある人なら必ず一度は耳にしたことがあるソニーのロングセラーモニターヘッドホン「MDR-CD900ST」。 「業界標準」だとか「プロがみんな使ってる」とかそんな評判を聞いて試してみたら「あれ、こんなもん……?」と思った方も多くいると思います(笑)そんな900STについて、個人的に思っていることを以下にまとめました。 元々はソニーのスタジオだけで使われていた今ではサウンドハウスをはじめ、いろんなお店で普通に買うことができますが元々はソニーのスタジオで使うヘッドホンとして開発され、ソニーのスタジオ以外では手に入ることもできなかったそうです。 その後、1989年(平成元年!)に法人向け販売が始まり、1995年に家庭向け販売もスタートしたそうです。 ほんとに業界標準で、プロもみんな使
【スペック】 メーカー:beyerdynamic 発売年:1985年 再生周波数帯域:5㎐~35000Hz 参考価格:19800円 形状:開放型 特記事項:ドイツ「製」。ハンドメイド。 【評価】 音質:75点 装着感:5 遮音性:1 音漏れ:2.5 デザイン:4 携帯性:2 オススメ度:5 【総評】 音の傾向は完全にドンシャリ。量感・質ともに最高の弾むような低音、中音はややボーカルが遠いが、質は良い。そして高域はキラキラを通り越してギラギラしていて、ここがdt990proの最大の特徴といえる。サ行は刺さる。 解像度はこの価格帯ではかなり高い。音場は開放型にしては狭いが立体的なため、窮屈な感じがしない。音色はかなり暗め。切れは良いが低音が重すぎてスピード感はいまいち。音圧は極めて強い。開放型とは思えない。 有線ヘッドホンの良さが分かる名機。hd598に並ぶ初心者にオススメできる名機だが、あっ
ポータブルオーディオが盛り上がってる昨今、専用の音楽プレーヤーやDAコンバータを買って、ちょっといいヘッドホンやイヤホンで音楽を聴いてる/興味がある人も多いと思います。 デジタルオーディオがmp3主体からflacやwav, DSDになり、リリースされる楽曲もソリッドで分離が良く、レンジの広い楽曲が増えたと思います。 TWSイヤホンの普及で3万円前後のイヤホンが一般化して、そこからじゃあもうちょっと音質にこだわって聞きたいなという人はそれなりにいると思いますが、おそらくそういう方が最近よく目にする言葉があります。 バランス駆動ちょっとネットを覗くと、バランスが良いとかいやシングルエンドのがいいとか色んな意見を目にします。 バランス駆動てのを正直ちゃんと理解できてない人が多い印象もあります。 ここではざっくりとですがそもそもバランス駆動とはなんぞや?メリット・デメリットは?という話をしていこう
久しぶりにヘッドホンを新調しました。 昨年ibasso audioのSR2やAKGのK701を手放してT1 2nd一つになっていましたが、定位感は素晴らしいもののローの見えにくさと、やはり制作用のものがいいだろうということでお店で色々聞いてみました。 まずは箱~製品を見ていきます。 ▶外箱 非常にシンプルな箱に入ってます。オーディオ向けの絢爛なパッケージはテンションも上がるし所有欲も満たされますが、でかいヘッドホンのパッケージは想像以上にでかい。機材を色々買ってるとそろそろ箱を置いとける空きスペースがなくなってくるので、最低限のパッケージは助かります。 段ボールに直接印字。日本人の大好きな"これでいいんだよ感"があふれてます。▶本体とポーチ 開けると本体とポーチが入ってます。 ポーチはぺらぺら、、程ではないですが薄いです。クッション性は無し。 これに入れて移動はちょっと怖いかもですね。 ち
ヤマハのヘッドホンYH-5000SEを試聴してみたので感想を書いておきます。 YH-5000SE平面振動板の開放型ヘッドホンで、2022年12月登場、価格は約50万円というハイエンド製品です。最近はこの価格帯で主に海外からのライバルが多いので、新参のヤマハがどれくらい健闘しているのか気になります。 ヤマハオーディオにおけるヤマハというのはかなり謎の多いメーカーです。 一般的にはヤマハというと楽器やプロオーディオのメーカーというイメージがありますが、私のようなCD世代の人にとって、ヤマハは家庭用の据え置きオーディオ機器でも結構名を馳せていた印象があり、私自身、子供の頃自宅にあったNS10Mモニタースピーカーで相当音楽を聴きましたし、初めて自分で買った本格的なオーディオ機器も中古のCDX-640 CDプレーヤーだったなど、かなり身近な存在でした。 その後私はオーディオ機器を解体修理するようにな
Toppingから発売されている定価55,000円とそこそこ安価ながら非常に高い特性値を持っているヘッドホンアンプです。海外でも話題ですし、国内でもそれなりに人気が出始めている機種だと言ってよいでしょう。海外のレビュアーには40万円ほどするHPAと比較しても同等だという人もいるくらいです。 A90やTHX789系統のHPAのように、負帰還の技術により低価格ながら高特性なHPAがトレンドとなっており、これらの実力を一度確認したいという事でセール時に購入してみました。 ですが、色々と試した結果かなり辛口の(というか褒められるところが無かった)レビューとなります。それを読むのが嫌な人はページを閉じることをお勧めします。 なお本レビューにおいて再生環境は、PC→Lyra2(DDCとして使用)→DA-N5(DAC)→Indigo(プリアンプ兼セレクター)→A90です。Indigoが影響している可能性
ヘッドホンアンプでもバランス駆動が割と増えてきて、最近では入門機レベルですら搭載している機種が増えています。 個人的にはこの風潮に懐疑的なので、自戒の意味も込めてバランス駆動について現在私の考えを述べてみたいと思います。なお、今回の話はあくまで据置型の話で、ポータブルの話は別に置きます(私自身が殆ど使用経験が無いため)。 1.バランス駆動はスピーカーのBTL駆動と同じ原理 ヘッドホンにおけるバランス駆動は、スピーカーでのBTL(ブリッジ)駆動と同じです。私は技術者では無いので詳細な説明は省きますが、主なメリットとして、 ・必要な回路は2倍だが、出力は理論上4倍取れる(実質的には2倍程度かそれよりやや上程度) ・S/N比が良くなる(出力4倍になるがノイズは2.8倍にしかならない為) ・スルーレートが向上する 等が挙げられるようです。但し注意点として、 ・電源部由来や外来ノイズは減らせるがアン
スピーカーとヘッドホンの体験においてどのような違いが有るか、という事はずっと気になっていた事でした。 ですが、私のシステムは基本ヘッドホンが主であり、スピーカーの環境はヘッドホンと明らかな差がありました。 また、ヘッドホンの環境についても、これならばと思えるほどには充実していなかったという事もありました。 それが、2022年にMSB PremierHPAを導入した事、逢瀬WATERFALL Power 502Lとkef Reference 1を導入したことが大きな転機となりました。 ヘッドホン環境においてひとまず目標としていた環境に到達した事、そしてそれとほぼ遜色ないと感じられるクオリティのスピーカー環境が整った事。 これらの理由により、これまで考えていはいたものの確かめられなかったことや新たな発見について、ひとまず纏めようと思いました。 なお、本記事の内容はあくまで体験としてどうかという
2020年12月発売で約46,000円ということで、そこそこ本格的なヘッドホンです。好評だった旧モデルFidelio X2 (X2HR)が生産終了になって久しいので、今作はそのままのリメイクなのか、それとも全く新しいサウンドなのかという点が気になります。 フィリップス フィリップスのコンシューマーオーディオ部門について私が持っているイメージというと、「良い物を作っているのに経営があまりにも不安定で、浮き沈みが激しい」、といった感じです。イヤホン・ヘッドホンブームの最初期にはSHE9700イヤホンなどが「安いわりに音が良い」と好評だったのを思い出します。 フィリップスはオランダが誇る超巨大企業で、1891年に米エジソンに対抗する形で欧州における電球の量産にいち早く着手した歴史あるブランドです。とりわけオーディオにおいてはソニーと共同でCDというデジタル規格を生み出した事で、CDプレーヤー全盛
JBLのワイヤレスヘッドホン徹底比較 外観・付属品比較 JBL3製品で比べるとこんな感じ。デザインだけで言えばTUNE770NCが一番好きかも。 左からTUNE770NC、LIVE770NC、TOUR ONE M2 付属品の違いとして、TUNE770NCはポーチなどの付属はなし、LIVE770NCはポーチが付属、TOUR ONE M2はハードケースが付属しているので一番安心して持ち運びができます。 左がLIVE770NCの付属ポーチ、右がTOUR ONE M2の付属ハードケース、TUNE770NCは付属なし ドライバー部はそれぞれスイーベル仕様で90くるっと回るようになっています。 左からTUNE770NC、LIVE770NC、TOUR ONE M2 折りたたむこともできるので、コンパクトに持ち運ぶこともできます。 すべてコンパクトに折りたたみ可能 ヘッドバンド部分は12段階で調整可能。
こんにちは、作編曲家/レコーディングエンジニアの三國です。 レコーディングエンジニアは、大抵いくつものヘッドホンを使い分けて使っています。 音楽制作に関わりのない人からすると「そんなにたくさん必要なの?」「ただ単にヘッドホンを買うのが好きなんじゃないの?」という声も聞こえたりしてきて……これは必ずしも否定しきれないのですが……笑 私も例に漏れずいくつかのヘッドホン、イヤホンを併用しています。 というわけで今回は、私がそれぞれどういう用途/意図で使い分けているのかを紹介します! 大前提として、作業の中心はスピーカーヘッドホンの話に入る前にですが、基本的にレコーディングもミックスもマスタリングも、作業の中心に使っているのはヘッドホンではなくスピーカーです。 ただ、スピーカーでは聴き取りにくい細かい部分を確認したり、ホールレコーディングなどで仮設の録音環境においてスピーカーを用意することができな
DenonのAH-D5200を入手して聴いています。 もともと友人から譲り受けたモノで故障品でしたが、貸してもらって聞いてみたら思った以上に良かったので、メンテナンスして標準使用するヘッドホンとして運用することとしました。 もともとD5200は知っていました。 ここ数年ヘッドホン環境も強化したいと思い何度かに分けて購入検討と試聴を繰り返えしていましたが、DenonやFostex、Audio TechnicaにVictorなど一連のウッドハウジングヘッドホンも聴いた時に、D5200も当然聴いていました。 その時の印象は悪くなく、個人的な基準では同じDenonの上位機種のD7200やD9200などよりもいい意味で素直でフラットで自然に感じていました。ただ、後で書きますがトーン的にも強い個性には欠けるある意味素直で地味な音色は、他のヘッドホンと一斉に比べるとちょっと印象が薄かったのですね。 そん
Audio Technicaの開放型ヘッドホン最上位機種 ATH-ADX5000を自宅試聴できたので、印象などを書きます。 試聴環境は 音源: 自作PC(USB出力Element H USBカード)または USB→SU-2 KTE DDCからの同軸出力 DAコンバーター Holo Audio May DAC または S.M.S.L D300 ヘッドホンアンプ AITヘッドホンアンプ からアンバランス接続、という構成です。 手持ちのヘッドホンは、Onkyo A800、Denon AH-D5200、STAX SR-L300+Airbow SRM-253Mという塩梅です。(そういうタイプの音が好きな人のレビューとして読んでください〜) ADX5000インプレッション 聴きはじめて、まずちょっと感心してしまいました。 それは何かというと、従来のテクニカのよくあった(いまでもある)ドンシャリ傾向は抜
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