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ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (32)

  • 「湖水爆発」で数百万人が犠牲の恐れ、時限爆弾のようなキブ湖

    ルワンダとコンゴ民主共和国にまたがるキブ湖。そのユニークな地質的特徴により、湖深くに膨大な量の二酸化炭素とメタンガスが蓄積しており、湖岸に住む数百万人の命を危険にさらしている。(PHOTOGRAPH BY ROBIN HAMMOND, NAT GEO IMAGE COLLECTION) ルワンダとコンゴ民主共和国にまたがる緑豊かな渓谷にあるキブ湖は、見事な崖に囲まれている。湖上では漁師たちが小舟を浮かべ、歌に合わせて櫂(かい)を揃えて漕ぎながら、その日の料を捕っている。だが、湖の深部は、そんなのどかさとは無縁の世界だ。 キブ湖は地質学的に特異な多層湖で、深い層は蓄積した二酸化炭素とメタンで飽和状態にある。このような湖は世界に3つしかない。残りの2つはカメルーンのニオス湖とマヌン湖で、どちらも過去50年の間に湖水爆発を起こして致死的なガスの雲を噴き上げ、人間や動物を窒息死させた。 1986

    「湖水爆発」で数百万人が犠牲の恐れ、時限爆弾のようなキブ湖
    fashi
    fashi 2024/01/24
  • コロナの心臓への攻撃方法を解明、動脈に直接感染していた

    ヒトの心臓。心臓の筋肉に血液を送る動脈と静脈が見える。血管に色素を注入したため、心臓に張り巡らされた最も細い毛細血管まではっきりと見ることができる。(PHOTOGRAPH BY SCIENCE PHOTO LIBRARY) 新型コロナウイルスが深刻な心血管系の問題を引き起こす場合があることは、これまでの研究で示されている。特に、血管に脂肪物質が蓄積している高齢者では、そのリスクが高い。このほど、それがどのようにして起こるのかを示した研究結果が発表された。 2023年9月28日付けで医学誌「Nature Cardiovascular Research」に発表された論文は、新型コロナウイルスが心臓の動脈に直接感染することや、プラークをつくる細胞のなかでウイルスが生き残り、増殖することを明らかにした。プラークは、脂質を取り込んだ細胞が動脈の壁に蓄積したもので、動脈が狭くなったり硬くなったりする動

    コロナの心臓への攻撃方法を解明、動脈に直接感染していた
  • ハブ毒の酵素でアルツハイマー病の原因物質を分解、東北大など

    毒蛇のハブが持つ毒素から精製したタンパク質分解酵素が、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドベータを分解することを東北大学などの研究グループが発見した。人間の体内酵素がアミロイドベータを分解することは知られていたが、生物の毒素も効果的だと分かったのは初めて。アルツハイマー病の新たな治療法の開発につながることが期待されるという。 東北大学大学院農学研究科の二井勇人准教授(酵素化学)と小川智久教授(タンパク質化学)は、ハブ毒から金属イオンとタンパク質との相互作用を利用し、蛇毒メタロプロテアーゼというタンパク質分解酵素を分離、精製した。ハブは2018年に九州大学などのグループが全ゲノム解読に成功している。ハブ毒は11種類のメタロプロテアーゼを含む多くの成分によって構成され、「タンパク質のカクテル」といわれる。メタロプロテアーゼの働きによって、ハブに噛まれた人は内出血や血液凝固を起こす

    ハブ毒の酵素でアルツハイマー病の原因物質を分解、東北大など
  • なぜ無効な成分が市販のかぜ薬にずっと使われているのか?

    鼻づまりを改善する成分として多くの市販薬に使われてきたフェニレフリンは、飲み薬では効果がないと報告されていた。(PHOTOGRAPH BY NEWSCAST/UNIVERSAL IMAGES GROUP/GETTY IMAGES) 鼻づまりを改善する成分として一般的な市販薬に使われてきた「フェニレフリン」は、飲み薬(経口薬)では効果がないという結論が、米品医薬品局(FDA)の諮問委員会によって下された。かぜとインフルエンザのシーズンが近づき、新型コロナウイルス感染症の流行も続く中、米国の消費者の間に動揺が広がっている。 フェニレフリンは、処方箋なしで買える多くの市販薬に使われている。鼻づまりを緩和する成分が含まれているとうたう米国の製品の大半にはフェニレフリンが入っていると、米テキサス大学ヒューストン医療科学センターの耳鼻咽喉科医で助教授のジェイソン・タルマッジ氏は言う(編注:日でもフ

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  • ヒアリもアライグマもやってくる、外来種は定着すれば「負け戦」

    ヒアリ、ツマアカスズメバチ、アライグマ、マダニ――生態系や人の暮らしに影響を与える外来種が次々と現れ、現場は日々その対策に追われている。2022年12月の国連第15回生物多様性条約締約国会議(COP15)で扱われた「ポスト2020生物多様性枠組」では、外来種対策のターゲット目標が掲げられた。 日の外来種対策の第一人者で「外来種バスター」の異名を持つ、国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室の五箇公一(ごか・こういち)室長に、ヒアリをはじめとした海外からの侵入が続く外来種と人間社会について話を聞いた。 コロナ禍でも次々に見つかるヒアリ ―ヒアリが2017年以降、海外からのコンテナで次々に発見されて話題になりました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ですっかり忘れかけていましたが、6年以上が経った現在はどのような状況でしょうか。 コロナ禍でも物流はあるわけで、ヒアリがコンテナで入っ

    ヒアリもアライグマもやってくる、外来種は定着すれば「負け戦」
    fashi
    fashi 2023/09/13
  • 【動画】マダニは「飛べる」と判明、翅はなく跳べもしないのに

    誰も聞きたくないニュースだろうが、マダニは短い距離ながら重力に逆らって空中を移動できることがわかった。6月30日付けで学術誌「Current Biology」に発表された論文によると、ひそかに静電気の後押しを得て、宿主にたどり着くマダニもいるようだ。(参考記事:「危険なマダニ感染症から身を守るための基礎知識、春夏秋は要注意」) マダニはクモガタ類の寄生生物で、動物の血を吸わなければ生きていけない。「宿主を見つけることは、彼らの一生で最も重要な瞬間です」と語るのはドイツ、ベルリンにある自然史博物館の博士研究員であり、生物学者のサム・イングランド氏だ。 だが同時に、マダニはある問題を抱えている。跳躍できないのだ。しかも、マフィンに入っているケシの実くらい小さいものもいる。 マダニの多くの種は、草の葉によじ登り、フック状の脚を伸ばしてじっと宿主となる獲物を待つ。そして、シカやヒツジ、ネズミなどが

    【動画】マダニは「飛べる」と判明、翅はなく跳べもしないのに
    fashi
    fashi 2023/07/17
    飛べるっていうか軽いから静電気が発生している動物の体毛や人間の服に吸い寄せられるってことね。
  • ネコの新たな不妊法を開発、注射1本で済み手術は不要

    米国シンシナティ動植物園の絶滅危惧動物保護研究センターで、新しい不妊法の研究に参加しているメスのネコたち。(PHOTOGRAPH BY MADELEINE HORDINSKI) 米国では、年間40億羽の鳥と220億匹の小型哺乳類が、イエネコに殺されている。この数は、毒物の誤飲や生息地の破壊など、人間の活動の影響で命を落とす数をはるかに凌駕し、野生動物の健康と多様性への脅威となっている。そんなイエネコによる被害を少しでも減らすためにできる対策の一つが、ネコの繁殖力を抑えることだ。(参考記事:「ネコに殺された232匹の動物たち、一枚の写真に」) 米ハーバード大学の生殖生物学者デビッド・ペピン氏と、シンシナティ動物園の動物研究ディレクターであるウィリアム・スワンソン氏率いるチームは、飼いネコや野良ネコの数を管理するために、安全で新しい遺伝子技術による不妊処置法を開発し、6月6日付けの学術誌「na

    ネコの新たな不妊法を開発、注射1本で済み手術は不要
    fashi
    fashi 2023/06/10
    「人間の場合、遺伝子技術ではなくホルモンを直接注射する。そうすれば、後で避妊状態を元に戻せる」
  • 奈良公園のシカ、コロナ禍で「おじぎ」をしなくなる、研究

    奈良公園(奈良市)に生息する野生のシカが、新型コロナウイルス禍を経て耳と頭を下げる「おじぎ行動」を取らなくなっていることが、奈良女子大学などの研究グループの調べで分かった。観光客が激減すると奈良公園に出没するシカの頭数も減った。住宅街のカラスは生ゴミをあさるなど、生き物と人間の暮らしには密接な関係があることは知られていたが、人間活動が減ったことによる生き物への影響を調査した報告は珍しいという。 おじぎは「鹿せんべい」のためか 奈良女子大学研究院自然科学系生物科学領域の遊佐陽一教授(動物生態学)によると、野生のシカには元々、攻撃の前にストレスを感じると頭を下げる「おじぎ行動」が見られる。しかし、奈良公園周辺に生息するシカは観光客を見つけると「鹿せんべい」を求めて近寄り、おじぎ行動をとるという。同じようにシカとふれあえる観光地、宮島(広島県廿日市市)のシカはこのような行動を取らず、奈良公園周辺

    奈良公園のシカ、コロナ禍で「おじぎ」をしなくなる、研究
    fashi
    fashi 2023/05/28
    「鹿せんべいは食事の2%程度を占める程度で、おやつに過ぎない」
  • 高齢者に広がる急速に進む危ない虫歯、タンパク質分解酵素も原因

    高齢者に広がっている虫歯「根面う蝕(こんめんうしょく)」の原因は、菌が作る酸で歯が溶けることに加え、歯に元から存在するタンパク質分解酵素の活性化も原因であることを、東北大学大学院歯学研究科の高橋信博教授(口腔生化学)らが明らかにした。虫歯の進行を抑える「フッ化ジアンミン銀」や、お茶に含まれるカテキンなどが酵素の働きを抑制することも分かった。 根面う蝕はわずかに茶色になることもあるものの、あまり目立たない。痛みがほぼないが、あっという間に進行し、ある日突然歯が折れたり割れたりする。年を重ねて歯ぐきが下がり、露出した部分の歯が狙われる。歯が黒くなり、徐々に進行する小児や成人の虫歯とは異なり、その発症のメカニズムはよく分かっていなかった。 歯は3層構造になっており、一番外側の硬いエナメル質の下にある象牙質、セメント質といわれる2つの部分は軟らかい。エナメル質は歯の見えている部分では厚く、根っこに

    高齢者に広がる急速に進む危ない虫歯、タンパク質分解酵素も原因
  • 歯周病の影響は全身に、関節リウマチとの関連で新たな発見

    歯周病を防ぐには、日常的な歯磨き、フロスの使用、口のすすぎが重要だ。歯茎の感染症が慢性的になると、免疫系との戦いが長引き、関節など全身の組織に悪影響が及ぶことになる。(PHOTOGRAPH BY REBECCA HALE, NATIONAL GEOGRAPHIC) 関節炎は何千年も前から人類を苦しめてきた。「西洋医学の父」として知られるヒポクラテスは2000年以上前に、口の感染症が関節炎に関係しているのではないかと気づき、歯を抜けば関節炎が治る可能性があると考えた。これは、ある点では正しかったようだ。(参考記事:「ネアンデルタール人が鎮痛剤、歯石分析で検出」) 歯茎が感染症にかかると、細菌が血流に入り込む。血流中の細菌は免疫系によって攻撃されるが、歯茎の感染症が慢性的になると、この戦いは長引くことになる。その結果、免疫細胞が体中を巡り、関節など口から遠く離れた場所も組織が破壊されるなどの悪

    歯周病の影響は全身に、関節リウマチとの関連で新たな発見
  • 人工甘味料が腸内細菌を乱すと判明、健康に悪影響の恐れも、研究

    甘さがきび砂糖の数百〜数千倍に及ぶものもある人工甘味料は、一般に人の体内では処理されない。カロリーがゼロであるか、少ししかないのはそれが理由だ。(PHOTOGRAPH BY TRISTAN SPINSKI) ダイエットをうたう炭酸飲料を飲んで、砂糖に付き物のうしろめたさやカロリーを気にせずに甘さを堪能する。その快感は多くの人が経験したことがあるだろう。しかし、新たな研究によると、人工甘味料はかつて考えられていたほど無害ではなく、それどころか糖尿病や体重増加のリスクを高めるかもしれない。 科学者らは以前より、人工甘味料と人間の糖尿病との関連を疑ってきたが、これまでは実験用のマウスでしか証拠は示されていなかった。今回、イスラエルの科学者たちが、同様の試験を人間で行ったところ、人工甘味料は人間の腸にすむ細菌の働きを妨げるのみならず、後に血糖値を下げにくくする可能性があることがわかった。血中にブ

    人工甘味料が腸内細菌を乱すと判明、健康に悪影響の恐れも、研究
  • 殺虫剤でのゴキブリ退治はゴキブリを強くするだけ、米研究

    チャバネゴキブリは、世界で最も多いゴキブリだ。(PHOTOGRAPH BY NIGEL CATTLIN, NATURE PICTURE LIBRARY) 不快なゴキブリの出没には、多くの人が悩まされている。ゴキブリ退治がこれほど難しいのには、相応の理由があることがわかってきた。一部のチャバネゴキブリ(Blattella germanica)が、殺虫剤に対する抵抗性(耐性)を獲得していることを示す研究成果が集まりつつあるのだ。 たとえば学術誌「Journal of Economic Entomology」に2021年12月に発表された論文によると、米国カリフォルニア州の集合住宅で採集したチャバネゴキブリには、よく使われている5種類の殺虫剤に対し生き残るものがいた。 チャバネゴキブリは、少なくとも11種類のアレルギー誘発物質と関係があるうえ、サルモネラ菌などの細菌をまん延させることもある。人間

    殺虫剤でのゴキブリ退治はゴキブリを強くするだけ、米研究
    fashi
    fashi 2022/03/22
  • トンガ噴火は「桁外れに奇妙」、異常な巨大津波、少ない火山灰

    立ちのぼる噴煙の中、1分あたり5000~6000回という記録的な頻度で火山雷が発生した1月14日の様子。(PHOTOGRAPH BY TONGA GEOLOGICAL SERVICES, REUTERS) トンガの首都ヌクアロファの北約65キロメートルに位置する海底火山フンガトンガ・フンガハアパイは、もともとは山頂の一部だけを海面から覗かせていた細長い2つの小さな島で、フンガトンガ島とフンガハアパイ島と呼ばれていた。2014年の噴火で第3の島ができると、やがて、3つの島がつながって1つになった。2021年12月の噴火では、噴出した火山岩と火山灰によって新たな土地が生まれ、島は徐々に大きくなっていった。 そして2022年1月15日の大噴火となった。衛星写真で見ると、巨大火山はほぼ完全に海中に没し、見えているのは2つの小さな岩礁だけになった。しかし、数週間後か数年後には、火山は再び隆起するはず

    トンガ噴火は「桁外れに奇妙」、異常な巨大津波、少ない火山灰
    fashi
    fashi 2022/01/25
  • 第2回 あの「エルフ語」はなぜ、どのようにつくられたのか

    信州大学人文学部の伊藤盡教授(英米言語文化)は、広義には「英語の先生」で、英語史、中世英語、北欧語文献学などを専門にしている。もっと詳しく書くと、『指輪物語』のエルフ語の研究者(あるいは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』のエルフ語の吹き替え監修者)で、市民向けに「エルフ語講座」を開いてくれたり、「エッダ」として伝えられる北欧神話、バイキングの活動を含む北欧の人々の伝承が今に伝わる「サガ」、北欧の古い文字であるルーン文字で書かれた石碑などにとても詳しい不思議な広がりを持った研究をしている先生だ。 前回、伊藤さんが、幼い頃から「ここではないどこか」に惹かれ、その場所がなぜか北欧であるとまだ幼い頃に直観した話を聞いた。また、意味が分からないただ呪文のような言葉の連なりに惹かれるものがあり、言語と神話をまるまる創造したJ・R・R・トールキンの研究へと進んだ。その言語は「エルフ語」として知られ、神話

    第2回 あの「エルフ語」はなぜ、どのようにつくられたのか
  • 新型コロナで男性の性機能が低下、今わかっていること

    新型コロナウイルスの迅速検査を受ける男性。同ウイルスへの感染は男性の生殖機能に様々な問題を引き起こす可能性があるという。(JULIAN STRATENSCHULTE/PICTURE-ALLIANCE/DPA/AP IMAGES) 2020年、米国で新型コロナウイルス感染症が拡大する中、フロリダ州南部の泌尿器科医ランジス・ラマサミ氏は、ある不穏な傾向に気が付いた。ベッドルームでのパフォーマンスがうまくいかないと訴える男性が増えていたのだ。 当初、ラマサミ氏が勤める米マイアミ大学病院の泌尿器科では、性機能障害の報告の増加は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)のストレスによる心理的な問題だと考えていた。しかし、患者の多くは不安や抑うつを感じていないと述べたうえ、問題が半年以上続いていると訴える人もいた。そこで泌尿器科チームは、原因として新型コロナウイルスそのものを疑い始めた。 新型コロナ感

    新型コロナで男性の性機能が低下、今わかっていること
  • 新型コロナ、“無症状”でも無害とは限らない

    2021年6月21日、米カリフォルニア州パロアルトのスタンフォード大学新型コロナ後遺症クリニックで患者のロージー・フローレスさんを診察するエクトル・ボニーヤ医師。(PHOTOGRAPH BY STANFORD MEDICINE) 2020年2〜3月に横浜港で隔離されていたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の船内で新型コロナウイルスに感染した人の肺の画像を初めて見たとき、米スクリプス・トランスレーショナル研究所のエリック・トポル所長は心配になった。PCR検査で陽性となった104人の乗客のうち、76人は無症状だった。にもかかわらず、その54%のCT画像に、肺に水がたまっていることを示す「すりガラス陰影」と呼ばれる灰色の斑点が見られたのだ。 「これが事実だと確認されれば、症状がなくても無害とは限らないことを示唆している」。トポル氏は、ダニエル・オラン氏とともに著した総説論文でそう警告している

    新型コロナ、“無症状”でも無害とは限らない
  • mRNAワクチンでがんを治す、画期的な治療法に光

    悪性黒色腫(メラノーマ、画像のピンク色の部分)は、人間のがんの中で最も恐れられているものの1つだ。転移が早く、ほとんどすべての臓器に広がる可能性がある。画像は肺に転移したもの。なお、画像の細胞の色は実際の色ではない。(IMAGE BY DR. CECIL H. FOX, SCIENCE SOURCE) 2019年2月、司法試験の勉強をしていたモリー・キャシディーさんは、耳に激しい痛みを感じた。やがて痛みはあごにまで広がり、舌の下にしこりも見つけた。米アリゾナ州ツーソンに住み、教育学の博士号ももつ彼女は、「どの病院に行っても、生後10カ月の息子を育てながら勉強しているストレスが原因だと言われました」と振り返る。納得がいかずにさらに他の病院に行くと、のどやあご、鼻、口、耳などにできる「頭頸部がん」だと判明した。 キャシディーさんは舌の一部と35個のリンパ節を切除する手術を受け、35回の放射線照

    mRNAワクチンでがんを治す、画期的な治療法に光
  • 新型コロナで糖尿病を新たに発症、なぜ? 進む研究

    インスリンは血糖値を正常に保つホルモンだ。(PHOTOGRAPH BY KLAUS OHLENSCHLAEGER, ALAMY STOCK PHOTO) 2020年の春、米国の新型コロナウイルス感染拡大の中心地だったニューヨーク市の医師たちは、新型コロナ感染症の入院患者の中に、血糖値が高すぎる人がかなりいることに気づいた。高血糖は糖尿病の代表的な特徴だ。 「糖尿病の既往歴がないのに、血糖値のコントロールが非常に困難な新型コロナ患者がいることに気づきました」と、米ワイルコーネル医科大学の幹細胞生物学者シュイビン・チェン氏は語る。さらに驚いたことに、新型コロナに感染する前は糖尿病ではなかった人が、回復後に新規に糖尿病を発症した例もあった。 新型コロナウイルスが肺を損傷して急性呼吸器症状を引き起こすことはよく知られている。しかし、感染者がなぜ、どのようにして糖尿病のような慢性疾患を突然発症するの

    新型コロナで糖尿病を新たに発症、なぜ? 進む研究
  • 新型コロナが「スーパー抗原」の可能性、一部が細菌毒素に酷似

    患者から分離された新型コロナウイルス粒子の透過電子顕微鏡写真。CDCの新たな報告書は、21歳未満の致死的なCOVID-19症例を分析。その大半は、小児多臓器炎症症候群(MIS-C)と呼ばれる症状に由来していた。(Image by NIAID) 2020年2月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染した米国の子どもは74万1000人におよぶ。 幸いなことに、その大半は比較的症状が軽く、また感染した子どもの16〜45%は無症状とも言われる。一方で、このグループ(21歳未満)の子どもたちは、「小児多臓器炎症症候群(MIS-C)」と呼ばれる重篤な疾患を発症することがある。 MIS-Cの初期症状には、発熱、発疹、腹痛、下痢、嘔吐などが含まれる。急ピッチで進められた数カ月におよぶ研究のおかげで、当初は原因がわからなかったさまざまな症状を、明確な疾患として特定できるようになった。 MIS

    新型コロナが「スーパー抗原」の可能性、一部が細菌毒素に酷似
    fashi
    fashi 2020/10/21
    「のどの綿棒の検査で陰性となった20日後に、便の中からウイルスが確認された」
  • 食べ物の「3秒ルール」、2500回以上科学的に検証してみた

    科学的な実験の結果、このポテトチップスをべるかどうかを判断する基準は、3秒以内に拾うかどうかといった時間の問題ではないことが判明した。(PHOTOGRAPH BY LORI ADAMSKI PEEK) 私たちは子どもの頃から、ある疑問につきまとわれている。落としたべ物は、はたしてべても安全なのだろうか? 答えのひとつに、素早く拾えば大丈夫というものがある。いわゆる「3秒ルール」だ。よく似たルールは世界中にあり、米国では「5秒ルール」と呼ばれている。 それだけに、こうしたルールにさしたる根拠があるとは思えず、世界各地の家族の論争や科学展でもおなじみのテーマになっているが、2500回以上も科学的に測定を行った興味深い実験の結果があるので紹介しよう。 米ラトガーズ大学の品科学者ドナルド・シャフナー氏らが、2016年に学術誌「Applied and Environmental Microb

    食べ物の「3秒ルール」、2500回以上科学的に検証してみた
    fashi
    fashi 2020/09/04