2014-08-13 光る 高校の入学式の翌々日に、美術部入部希望の用紙を持って美術室に行ったら真新しい十円玉みたいな髪色の女がいて、襟元のリボンの色で同じ一年生だと知った。 凶器のように尖らせぴかぴかに磨きたてた爪を見た瞬間に絶対に友だちになれないタイプだと確信してわざわざ離れた席に座ったのに、隣に移動してきて「結子だけど」と名乗ってきて、だけど何だよと思った。文化系のクラブだから活動もゆるくて楽だろうと思って入った美術部は、毎日毎日コンテ片手に石膏像と向き合う部員の背後で顧問の先生が竹刀片手に監視しているような恐ろしいところで、なんと二年生の夏休みには合宿までやるらしいと後から聞いてぞっとした。夏休みの合宿に向かう朝、バス停で待ち合わせした結子は既にうんざりした顔をしていてわたしと同じ気持ちなんだろうなあと思ったらおかしかった。 暑いし合宿とか頭おかしいしあと蝉うるせえ、とついに虫