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ブックマーク / nix-in-desertis.blog.jp (7)

  • nix in desertis:クワガタムシ他の昆虫を絵画に仕込むこと

    ・ある絵画にクワガタムシが描かれたのはなぜかという議論(Togetter) この件について。こういう静物画は17世紀のオランダだと珍しくないが,ドイツだと珍しいかも。とはいえ,昆虫を仕込むのは,実はヨーロッパの古典絵画で普遍的に見られる。昆虫を描くのは技量の誇示とだまし絵的効果が相場であるが,大概はハエを選ぶ。もちろん静物画に仕込むのはいわゆるヴァニタス,物はいつかは腐るのだという教訓の意味合いもあろうが,他のジャンルにも昆虫は闖入するし,象徴的意味合いだけでは説明がつかないものも多い。 たとえば,カルロ・クリヴェッリの聖母子の絵。一応,この絵では説明に「The apples and fly are symbols of sin and evil」とあるので,象徴的意味合いが込められているが,これにしたってどう考えても「こんなところに,場にそぐわないハエがいる」というだまし絵的効果をねらっ

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    gimonfu_usr 2020/04/20
    ( 『ヴァニタス』って寓意画のことらしい。)
  • nix in desertis:「真田丸」

    非常に珍しくも,大河ドラマを見ていた年であった。見るようになったきっかけは,丸島和洋先生のtweetである。この歴史考証に関するコメントとセットで見れるなら,確かに面白かろうと思って見始めた。 私は三谷幸喜のそれなりのファンである。過去の映画は大体全部見ている(最新作の『ギャラクシー街道』だけ見ていないが,あまりの酷評っぷりに見る勇気がない)。『笑の大学』か『ラヂオの時間』あたりは人生で一番笑った映画ランキングベスト5に入れている。にもかかわらず今回ちょっと敬遠していたのは,『ギャラクシー街道』は無関係で,『清州会議』がぶっちゃけて言うと割りと微妙で,この人にちゃんとした史劇が書けるんだろうかという疑問が先立ったためである。結果から言うとそれは杞憂だったというよりも,三谷幸喜は明らかに『清州会議』の二の舞は避けていた。「真田丸」は時折「コメディ寄りすぎる」という批評を受けていることがあるが

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    gimonfu_usr 2016/12/22
    ( NHK大河ドラマ  )( http://www.nhk.or.jp/sanadamaru/special/subject/subject48.html 土木は力が入ってたんですよ。白兵戦場面は若干空間が余ってましたけども。)
  • nix in desertis:モスクワ大公国とロシア帝国をめぐる冒険

    ロシア帝国の前身としてモスクワ大公国という国があるが,ではその切り替わりのタイミングはいつか。これが面倒なのは,「モスクワ」から「ロシア」,「大公」から「皇帝」という2つの変化を経ているからである。 実際のところ,一番賢い手段はもう一つ歴史用語を作ってしまって三段階にするというものだ。Wikipediaロシア・ツァーリ国(Tsardom of Russia)はこれに則っている。ただし,ロシア・ツァーリ国という表記は一般的ではない。山川の各国史など,一般向けのロシア史の概説書では「ロシア国家」ないし単に「ロシア」という表記が最も多いと思われる。いずれにせよ,「帝国」ではないが「ロシア」であるという段階を挟むか,または「ロシア」から「ロシア帝国」への変化(1721年)はさしたる重要な変化ではないとして無視することで,この問題を解決している。 さて,少し気になって調べてみたところ,高校世界史に

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    gimonfu_usr 2015/07/11
    ( ロシア )
  • nix in desertis:『リンカーン』(映画)

    これは傑作。作はアメリカ合衆国第16代大統領リンカーンを描いたものだが,生涯すべてを扱っているわけではない。どころか作中にゲティスバーグの演説のシーンもなければ,奴隷解放宣言のシーンもないのである。1865年1月のわずか1ヶ月間だけを極めて濃密に描いたのがこの映画だ。奴隷解放を法的に根拠づける憲法修正第13条の下院可決が1月31日のことで,南北戦争の終結は4月9日のことである。リンカーンがこの2つの難題に対してどう挑んだのかが,作の焦点である。 作中でおおよそ説明されるものの,これらがいかに難題であったか列挙しておく。 ・憲法修正には出席議員の2/3以上の賛成が必要だが,共和党が全員賛成したとしてもまだ20票足りない。 ・共和党も一枚岩ではなく,解放は参政権を含めない法的平等にとどめたい保守派と,参政権なども含めたラディカルな解放を望む急進派に分かれていた。 ・戦争終結してからゆっくり

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    gimonfu_usr 2014/05/03
    ( 南北戦争 / 憲法修正第13条 / コメント欄 )
  • nix in desertis:三十年戦争の絞首刑の絵の人

    西美のジャック・カロ展に行ってきた。どうでもいいが,URLが2013callotになっていることに今気づいた。2014年なのに。 ジャック・カロと言われてもピンと来ないかもしれないが,画像を見て誰のことか分かった人も多いのではないか。三十年戦争戦争画を描いたこの人である。生まれはロレーヌだが,この時代の画家のご多分に漏れずローマに留学。トスカーナ大公国に仕え,フィレンツェでしばらく過ごしている。代表作しか知らなかった身としては意外なことに,彼の作品はこの時期のものの方が多いようだ。そこで仕えていたコジモ2世が亡くなったのを契機に故郷に帰ったが,ロレーヌ公国ではあまり仕事をもらえなかった。理由としてはロレーヌ公国の財政危機が挙げられるが,すでに三十年戦争が始まっていた時期でもあった。やがてロレーヌ公国も三十年戦争に巻き込まれ,フランスの侵略を受ける。ウェストファリア条約でフランス軍はロレー

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    gimonfu_usr 2014/04/27
    ( エッチング/ フランス / 傭兵 )( http://fr.wikipedia.org/wiki/Les_Grandes_Mis%C3%A8res_de_la_guerre )
  • nix in desertis:(割と古い)PCの捨て方

    PCの捨て方が意外とめんどくさい,ということが今回2台PCを捨ててよくわかった。私がなぜPCを捨てあぐねていたのか,説明するととても長くなるので下に格納する。捨て方について手短に言えばこんな感じ。 (1)PCリサイクルマークがついてるかどうか確認する。 → ご存じの通り,PCを捨てるには法律(※)によりお金がかかることになって久しい。しかし,このマークがついているパソコンについては,購入時に捨てる料金がすでに含まれているという扱いになるので,捨てるときに追加で払うお金は発生しない=タダで捨てられる。というか法律の施行が2003年10月からなので,ここ数年以内の大概のパソコンはついているはずである。ついていない場合は……残念ながらまっとうに捨てるとデスクトップPCで3150円ほど追加でかかる。(※ 資源有効利用促進法,いわゆるパソコンリサイクル法) (2)メーカーが存命の場合はメーカーのHP

    gimonfu_usr
    gimonfu_usr 2012/12/11
     解体したら銅がテンコ盛りに出てきた。でも空き缶の回収はあっても、銅の回収はないのです。資源小国がなんということでしょう。
  • nix in desertis:カオスラウンジ周辺諸問題について

    0.はじめに 私のことをよく知らない人のために自己紹介を兼ねて言えば,私がこの問題に関心を持ったのは美術史学畑の人間だからであり,20世紀以降の芸術は一部例外を除けばおおよそ全部嫌いだからである。私の芸術観については過去記事のこれやこれを参考にしていただければおおよそわかると思う。 実害もなくなぜそんなに嫌いなのかと言われると,実はそこまで嫌いでもなく,自分が好きなものの行く末はなんのかんの言いつつもやはり興味を惹かれ,結果的に横目で眺めているというのがおそらく正しい。趣味が悪いと言えば悪いし,私憤でしかないと言われれば,私憤であると答える。特に村上隆関連を追っていたのは,自分の趣味であるヲタク界隈と接続しているからで,カオスラウンジはその延長線上に登場したに過ぎない。また,まどか☆マギカ関連でおもしろくない批評をやっていたのが彼らに良くない印象を与えたことも,一応この記事を書いた理由とし

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