【及川綾子】強制わいせつ事件で被害を受けた川崎市内の30代女性の住所や電話番号が、横浜地検川崎支部から被告の男に伝わっていたことが分かった。不安を感じた女性は7月にも家族で引っ越す予定で、その費用や慰謝料などを求める国家賠償訴訟を起こす準備をしている。 捜査機関の不手際で加害者に被害者の個人情報が漏れる事態はほかにもあり、被害者情報の保護の徹底が図られてきたが、また不手際が明るみに出た。 女性の代理人を務める湯山薫弁護士によると、男(82)は川崎市内の自宅にホームヘルパーとして派遣されてきた女性に抱きつくなどしたとして強制わいせつの罪で起訴された。横浜地裁川崎支部で今年3月、懲役2年6カ月の実刑判決を受けて控訴している。