資源エネルギー庁は11日、3月末に発行した広報誌に不適切な表現があり、おわびすると発表した。東日本大震災による福島第一原子力発電所の事故が起こる前に取材し、周辺住民が原発に信頼を寄せる声を紹介。事故後、そのまま掲載して発行した。 記事が掲載されたのは3月30日発行の「エネロジー」。福島第一原発1号機などが運転40年を迎えるのに合わせた対談形式の記事で、原発が立地する全国の自治体や、地元新聞社などに2500部配布した。 記事では福島第一原発から半径20キロ圏の避難指示区域に住む女性が「原子力がなくなってしまっては働く場もなくなるので困る」と発言。「今はむしろ(原発の)信頼は増している」との声を載せた。 読者から「やめておけばよかった」と苦情が出たという。エネ庁は「心よりおわびします」とした。