「同世代の仕事仲間を失うことが、どれほど悲しいか。僕は今さらのように思い知らされております」 追悼の辞で、映画監督の山田洋次さん(84)は遺影にこう語りかけた。冨田さんは、山田さんの映画「学校」シリーズや「たそがれ清兵衛」などの音楽を担当。日本人で初めて米グラミー賞にノミネートされるなど世界的にも高い評価を得た。親交のあった米ミュージシャン、スティービー・ワンダーさんは「彼が遺(のこ)してくれた素晴らしい作品を祝福しましょう」とコメントを寄せた。 祭壇は冨田さんが好きだった宇宙をイメージ。星のように光る約150本の白いカスミソウの周囲を菊やバラ、ガーベラやトルコキキョウなど約3560本が鮮やかに彩った。 亡くなる直前まで音楽制作に意欲を燃やしていたが、11月上演予定の世界初演の公演「ドクター・コッペリウス」の打ち合わせの直後、帰らぬ人となった。喪主で長男の勝(まさる)さんは「父は倒れる直前