コンビニの雑誌棚の横にあるコミックコーナーを見ると、カラフルな背表紙でぎっしり詰まった廉価版コミックが並んでいる。 3月某日の都内コンビニエンスストア。夜8時を少し過ぎた頃、弁当と缶ビールを持った40代後半のサラリーマンAさんが、棚の前に現われた。しばらく物色した後、おもむろに1冊抜き取ってレジへ向かった。 「弁当を食べながら、暇をつぶすために読むには丁度いいんですよ。普通の漫画の単行本と違って見た目も雑誌っぽくて、カバーもついていないから、読み捨てしても気にならない」(Aさん) この後も、中高年の男性客らを中心に、廉価版コミックを買い求める客の姿が目についた。 コンビニでしか買えないことから漫画ファンの間では“コンビニ漫画”といわれる廉価版コミック。その販売を手掛ける出版関係者が近況を明かす。 「コンビニのコミックコーナーの売り上げの5割はコミックの最新刊ですが、後の5割をこの廉価版が占