中学校の制服を通し、今の日本の社会が抱える様々な課題を考えてきました。最後に、特に大きな不満が寄せられた「価格」について、各地で実施されている改善への試みを、きょうと明日に分けて見ていきます。まずは、制服を決めてから買うまでの仕組みを変える試みです。一つひとつの学校以外の力が、そこには加わっています。 制服の価格を抑えたり一部業者の独占状態を改善したり。行政主導で仕組みを変えた例があります。 入札で価格を決定 福岡県春日市は2000年度、保護者らの「制服が高い」という声を受け、制服価格を入札して決める方法を始めました。市内の中学6校のうち、独自の制服がある4校の19品目が対象。市内外の7業者が3年ごとに入札で価格を競うそうです。 市教育委員会によると、ある中学校の男子冬服(ブレザー、ズボン、ネクタイのセット)の場合、初年度3万1600円だった落札額は少しずつ下がり、4回目の入札(09年度)