育児生活の沼として恐れられる〈ママ友〉の世界。仕事も趣味も世代もバラバラだけど、子どもが同級生という1点のみで結びついてグループ化。そのお付き合いの中では、子どもへの影響を考え、言動に気を配らねばならないシーンが多発します。ワンオペ育児をしていると同志であるママ友は心強い存在でもありますが、何かと息苦しい部分がクローズアップされがちです。 母親たちのドラマを描いた小説『ランチに行きましょう』(深沢潮著・徳間書店)は、そんなママ友付き合いの葛藤から始まる物語。 登場する母親は計5名。これが見事に属性ばらばらという〈ママ友グループあるある〉で、事件が起こる予感しかしない……!な~んてワクワク。女医のシングルママにステップファミリーであるブロガーママ、タレントの経歴を持つビューティフルママなど、まるで女の見本市。『おじさん図鑑』系の人間観察本が大好物な私は、キタコレとテンションあがりまくりです。