相続税が2015年1月に課税強化されるのを前に、節税にもなる「生前贈与」が活用できる生命保険の人気が高まっている。少子化や若者の保険離れで保険需要が伸び悩む中、生保大手各社はこの動きを商機ととらえ、顧客獲得競争も熱を帯びている。【高橋慶浩】 【相続税】15年から基礎控除引き下げて増税へ 生前贈与の非課税枠は現行で年間110万円。この範囲内で、財産を残す側の父母や祖父母(被相続人)が、子や孫(相続人)が契約した保険の支払いを肩代わりすれば、贈与税がかからず、事実上、子や孫に資産を移せる。事前に受取人や配分を決めておくことにもなるため、「相続のトラブルを防げる」(住友生命保険)メリットもあり、「特に富裕層を中心に関心が高い」(日本生命保険)という。 活用できる保険は、一定期間後に子や孫に保険金が支払われる「年金保険」や、父母や祖父母が死亡した際、子や孫が受取人となる「終身(死亡)保険」など