【北京=佐伯聡士】中国の甘粛省などで有害物質のメラミンに汚染された同じブランドの粉ミルクを飲んだ乳幼児が相次いで腎結石にかかった問題が、全国的な広がりを見せている。 中国製冷凍ギョーザの中毒事件に続き、「食の安全」に対する不安が国内外で改めて強まりそうだ。 新華社電などによると、粉ミルクを製造したのは国内大手の「三鹿集団」(河北省石家荘市)。比較的安価なため、消費者は小都市や農村などの低所得層が中心という。12日までに類似症例が甘粛省で59例見つかり、1人の死亡が確認されたほか、北京や上海、湖北省、江蘇省など少なくとも10省・直轄市に拡大している。衛生省は13日の記者会見で、国内各地の患者数が432人に上ると発表した。 同集団は、今年3月から8月5日までに製造された粉ミルクがメラミンに汚染されていたことを認めたが、「(酪農家の)不法分子が蛋白質の含有量を高めるため、原料の牛乳にメラミンを添