中国残留邦人の親族48人が、来日した直後に大阪市に生活保護を申請した問題で、大阪市在住の残留邦人姉妹、林愛英さん(79)と林珠英さん(78)が4日、毎日新聞の取材に応じた。親族を呼び寄せた理由を「日本で家族一緒に暮らすという母の遺志を実現したかった」と語った。【平川哲也】 48人のうち32人は既に生活保護を受給している。市は入国審査に疑義を唱えており、残留邦人姉妹は「親族3人は仕事を見つけたが、今回の件が問題になって断られた。生活保護目的で来日したと見られとても悲しい」と手を震わせた。 姉妹は福建省生まれ。父は中国人、母は日本人。1960年代後半から始まった文化大革命では、日本から持って来た母の本や写真は焼き捨てられ、愛英さんは中国人から鉄の棒で頭を殴られた。貧しくて病院にも行けず、傷口に鶏肉を当てて止血したという。 「いつか日本で暮らそう」と涙ながらに話していた母は、97年に一時帰国した