2001年に「IT基本法」(正式名称は「高度情報通信ネットワーク社会形成基本法」)が施行され、内閣官房に内閣総理大臣を本部長とする「高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部」、通称「IT戦略本部」ができてから9年がたった。当時は1990年代後半から続いたITバブルが崩壊した後で、非常に遅まきながら日本政府は「e-Japan戦略」という国家IT戦略を策定した。 昨年、民主党が政権交代を果たし、今年の6月22日、IT戦略本部は、「新たな情報通信技術戦略 工程表」、通称「新IT戦略の工程表」を策定している。新政権が誕生してから10カ月目のことだが、実際、野党時代の民主党には国家IT戦略というものがなかったので、この時間のかかり方も仕方がないのかもしれない。 民主党に国家IT戦略がなかったのも当然で、ITバブル以降、国民の目がITから離れてしまい、ITで票がとれる時代ではなくなったからだ。現実には