17回を数える文化庁メディア芸術祭功労賞にオリジナル作品限定の同人誌即売会「コミティア」代表の中村公彦氏が選出された。国立新美術館で2月5日から始まる受賞展を控え「参加者のみんなで受賞したと考え、私が代表させてもらう形でありがたくいただくことにしました。この受賞は、同人誌が一般化した象徴だと思っています」と中村氏は言う。 マンガ同人誌の世界は、昨秋の「藤子・F・不二雄展」で展示された高校時代の手書き同人誌「少太陽」などにもさかのぼれるが、それは限られた友人の間で回覧する規模のものでしかなかった。一般化されたのは、世界最大の同人誌即売会となったコミックマーケット(コミケ)が初開催された1975年以降とみてよいだろう。最初はこぢんまりとした若者だけの集まりだったと中村氏は言う。 「初期のコミケは大学のマンガ研究会、個人のオリジナル作品発表やマンガ家のファンクラブが主な参加者でした。その後、アニ