ノルウェーでは毛皮産業に反対する社会の動きが強い。 雪国のため、防寒のために毛皮の使用率は昔から高い。ノルウェーは外見を重視するファッション大国ではないため、「流行だから」とファーを選んでいる人は他国よりも少ないだろう。だが、防寒を考えた時に、毛皮がついていないコートなどを選ぶときは、選択肢が限られてくる。 それでも、毛皮を着た人の入店を禁止する店や、コンサート会場への入場を禁止する音楽家など、毛皮反対の動きは筆者の周りでも顕著だ。 毛皮産業の農民に政府が補助金動物愛護団体NOAHによると、ノルウェーでは毎年80万匹もの動物が、狭い檻(おり)の中で暮らした後、毛皮となるために殺処分されている。毛皮産業は70年代に最高潮を迎えるが、90年代から反対運動が始まる。養殖産業は減少の一途をたどるが、今でも国内には2015年の時点で277の業者・農家が残る。 デモには多くの動物も参加した Photo