気象庁は30日、箱根山(神奈川県)の大涌谷(おおわくだに)周辺の想定火口域で、ごく小規模な噴火が発生したと発表した。同庁は、箱根山の噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げた。「今後も火口域から半径約1キロの範囲で、小規模な噴火に伴って噴石が飛散する可能性がある」と警戒を呼びかけており、夏の観光シーズンを迎える地元に不安が広がっている。 気象庁によると、噴火は大涌谷の想定火口域で29日に見つかった新噴気孔で発生。火山灰とみられる噴出物が噴気孔周辺で盛り上がっているのを確認するとともに、最大で約50メートルの範囲で直径30センチ程度の噴石のようなものもあったという。 レベル引き上げを受け、立ち入り規制の範囲は火口域の半径300メートルから1キロメートルに広げられた。地元の箱根町は、同町強羅と仙石原の旅館、別荘、住宅など32棟に避難指示を出した。避難対象者は通勤している人