「温泉成分」が、水産養殖事業を救う!? 近年、地球の温暖化による海洋環境の変化や乱獲が、漁業に多大な悪影響を及ぼしている。またそうした状況の改善や安定した水産物の確保に向け、養殖業への関心が高まっている。 一方で、養殖ではへい死(病気などで養殖している魚が死亡すること)率が高く、成長促進や疾病対策として栄養剤やワクチン・抗生剤などの投与に頼らざるを得ない状況があり、食の安全性への懸念といった新たな問題を引き起こしている。 中でも養殖が難しいとされてきたのが、免疫力が低いことから病気にかかりやすく成長過程のへい死率が高いのが「ヒラメ」だ。ヒラメの養殖生産量日本一の大分県でも、生産効率の悪さに加え、地球温暖化による赤潮や海水温の急激な変化、さらには燃料と餌代高騰などの理由から、廃業する生産者が増えている。 そうした状況を大きく変えようとしているのが、大分のもうひとつの名物「温泉」だ。古くから、