「腹」か「胸」かという選択では、「腹に落ちる」が圧倒的で6割を占めました。出題者は「胸に落ちる」になじんでいたのですが、こちらを選んだ人は1割に届かず。今回の質問は「腹落ち」という見慣れない言葉を目にしたことがきっかけだったのですが、「腹に落ちる」が言い回しとして受け入れられるならば、短縮形の「腹落ち」も許容されるものかもしれません。 伝統的にはいずれも使われる まずは実例を引きましょう。いずれもインターネット図書館の青空文庫から。 どうやら常談〔冗談〕らしくもないお前の返詞がおれの腹に落ち兼ねる、お前は本当に清さんを呼ばせる気か(森鷗外「そめちがへ」) 入組んだ事柄になると五日も十日も掛てヤット胸に落ると云うような訳で、ソレが今度洋行の利益でした。(福沢諭吉「福翁自伝」) 「そめちがへ」は1898年の「新小説」が初出、「福翁自伝」は1898年から99年にかけて「時事新報」掲載とのことです