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ブックマーク / book.asahi.com (83)

  • 「万物の黎明」 西洋の中心で文明観の反省迫る 朝日新聞書評から|好書好日

    ISBN: 9784334100599 発売⽇: 2023/09/21 サイズ: 21cm/643,55p … 「万物の黎明」 [著]デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ 数年に一度、人類史の全体像を提示するが現れ、国際的なベストセラーとなることがある。原書が2年前に英語で刊行された書も、その一冊だ。副題を見て『サピエンス全史』のようなを思い浮かべるかもしれないが、その印象は裏切られるだろう。人類学者と考古学者の手で書かれた書は、このジャンルの前提に正面から挑戦する。 その前提とは、人間社会が一定のパターンに沿って進化するということだ。典型的には、小規模で平等な狩猟採集社会が、定住農耕による生産力の向上を経て、階級格差を伴う大規模な国家へと発展する。 書によれば、こうした思考は西洋人の偏見にすぎない。近年の考古学は、農耕が始まる前に巨大な都市が築かれたことを示す遺跡な

    「万物の黎明」 西洋の中心で文明観の反省迫る 朝日新聞書評から|好書好日
  • 「いちから聞きたい放射線のほんとう」書評 データを積み重ね、落としどころ提案|好書好日

    いちから聞きたい放射線のほんとう いま知っておきたい22の話 著者:菊池 誠 出版社:筑摩書房 ジャンル:技術・工学・農学 放射線が気になる人のための、もっともベーシックでわかりやすい。放射線のしくみから、からだに与える影響まで、いまこそ知っておきたい大事なことを、数式を使わずにていねいに解… いちから聞きたい放射線のほんとう [著]菊池誠・小峰公子 [絵]おかざき真里/原発事故と放射線のリスク学 [著]中西準子 東京電力福島第一原子力発電所における甚大な事故発生から3年が経過した。事故は大量の論点を放出し、私たちはそれぞれの立場に分断された。再稼働やエネルギー基計画を巡っては、容認と反対のグラデーションの中でそれぞれの主張が続けられてきた。の安全、居住基準、除染目標などについてもまた、それぞれの「見積もり」をめぐる衝突が生じてきた。 現状を安全と捉えるのか。危険と捉えるのか。被曝(

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  • 欧州市民は移民・難民をどう見ているか──EU最大の失敗 『欧州ポピュリズム』より|じんぶん堂

    記事:筑摩書房 original image:agcreativelab / stock.adobe.com 書籍情報はこちら 2015年以来、中東と北アフリカにおける紛争や政治的不安定のために、EUは難民危機に直面してきた。2015年および2016年にそれぞれ約130万人がEU各国で難民庇護申請を行った。この危機はEUとトルコの難民流入への対処に関する合意により何とか小康状態にある(図表1)。 【図表1】EU28加盟国における難民庇護申請者数(2006~16年) 移民・難民問題において、難民申請者に混じって経済目的の不法移民が数多く存在することが、EU各国の国民にとって大きな不満と憤りの原因となっている。とくに、コソボ、アルバニア、セルビア、マカドニア、ボスニアなどからの難民申請者の認定率は10%未満であり、その大多数が不法移民となっていることを示している。また、移民・難民に関するもうひ

    欧州市民は移民・難民をどう見ているか──EU最大の失敗 『欧州ポピュリズム』より|じんぶん堂
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    judgeer 2023/05/14
  • 「近代中国の新疆統治」書評 受け継がれた「中華」の統合原理|好書好日

    近代中国の新疆統治 多民族統合の再編と帝国の遺産 (慶應義塾大学東アジア研究所現代中国研究選書) 著者:木下 恵二 出版社:慶應義塾大学出版会 ジャンル:社会・時事 「近代中国の新疆統治」 [著]木下恵二 「華夷(かい)秩序」(文明と非文明、礼法と野蛮の区別)と「夷狄(いてき)の帰義」(夷狄は教化されて服従し中華の一員となる可能性を有し、またそうなるべきだという観念)に基づく「中華」の世界。それが連綿と受け継がれ、近代を迎えて誕生した「中国」の多民族統合はどのように再編されたのか。 書は帝国の周縁であった「新疆」(新しい支配地域)の中核による統合を、(1)国民的統合(2)民族自決的統合(3)植民地主義的統合を理念型として分析する。歴史研究だが、1990年代以降の民族問題の源流をも明らかにする視座が随所にちりばめられている。 最初に取り上げる新疆都督・楊増新による統治(1912~28年)は

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  • 「市民的不服従」書評 分類し検討 法の尊重が生命線|好書好日

    「市民的不服従」 [著]ウィリアム・E・ショイアマン 平和的な抗議運動が、道路や公園を違法に占拠したら、恥ずべき無法であり破壊活動だとみなすべきか。各地の民主化運動を顧みれば、それだけではあまりに乱暴な評価の仕方だろう。 ガンディーやキング牧師の非暴力運動は、「市民的不服従」と呼ばれてきた。これは、政治的動機による違法行為のうち、正統性があるとされるものに与えられてきた名称だ。だが、この言葉の意味は曖昧(あいまい)で、分かりにくい。政治に関わる多くの言葉と同じように、言葉の定義自体が争われてきたからだ。そこで書は、市民的不服従をいくつかのタイプに分類して、概念の交通整理をしていく。 これまで市民的不服従は「良心的不服従」の同義語とされることも多かったが、著者は宗教的なタイプの市民的不服従と、リベラルなタイプを区別することで、この理解を退ける。個人の宗教的・道徳的良心を土台とするのは全ての

    「市民的不服従」書評 分類し検討 法の尊重が生命線|好書好日
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    judgeer 2022/09/17
  • 「オークション・デザイン」書評 市場の設計 実務経験から説明|好書好日

    「オークション・デザイン」 [著]ポール・ミルグロム かつて経済学は市場をブラックボックスのように扱っていた。消費者がいて生産者がいれば、アダム・スミスのいう「見えざる手」が動くのだと。そして見えざる手が価格を調整して、好ましい資源配分が実現するのだと。すでに世に存在し、上手(うま)く機能している市場を描写するときには、この扱い方で不便はない。しかしこれから世に新しい市場を作ろうというときには、それでは通用しない。ブラックボックスの中身を作らねばならないからだ。 これを成し遂げたのが著者のポール・ミルグロム。市場を単なる観察の対象ではなく、設計の対象とした研究者だ。保険数理士の出身で、2020年にはノーベル経済学賞を受賞している。ミルグロムは1990年代に米国で、政府が民間に周波数免許を販売するオークション方式を設計した。近年ではそれら免許を買い取り、再販売する精巧な仕組み(インセンティブ

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  • 「裏世界ピクニック」宮澤伊織さんインタビュー 虚と実、ホラーとSFのはざまで展開する冒険|好書好日

    宮澤伊織(みやざわ・いおり)作家 秋田県生まれ。2011年『僕の魔剣が、うるさい件について』でデビュー。15年には「神々の歩法」で第6回創元SF短編賞を受賞。著書に『不意ながらも魔法使い』『そいねドリーマー』など。「魚蹴」名義でテーブルトークロールプレイングゲームTRPG)のリプレイや世界設定も手がける。 SF・ホラー・冒険の三柱 ――〈百合SF〉のヒット作として知られる『裏世界ピクニック』は、ホラーファンにも見逃せない作品です。実話怪談(=体験談をもとにした怪談)ネタを盛り込んだこのシリーズは、どのように誕生したのでしょうか。 もともとはストルガツキー兄弟の『ストーカー』のような冒険SFをやりたい、というのが出発点だったんです。たとえば町中の廃墟のドアをくぐると不思議な世界が広がっていて、そこを冒険して帰ってくるというような話ですね。その設定を詰めているうちに、徐々に実話怪談の要素

    「裏世界ピクニック」宮澤伊織さんインタビュー 虚と実、ホラーとSFのはざまで展開する冒険|好書好日
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    judgeer 2022/01/16
  • 「最新の安全保障理論」×「主戦論者」の主張で分析! 真珠湾から80年、なぜ日本は「無謀」な開戦へ至ったか? |じんぶん堂

    記事:作品社 『戦争という選択――〈主戦論者たち〉から見た太平洋戦争開戦経緯』 書籍情報はこちら 書の究極の目的 今年12月、真珠湾攻撃から80年を迎えます。日は無謀と言われる米国との戦争を、なぜ選択したのでしょうか。また軍部に責任があると言われることも多いですが、実際はどうだったのでしょうか。書の究極の目的は、主戦論者たちの視点から見た日米開戦経緯を通じ、「二度と戦争を起こさないための教訓を得る」というものです。よって考察は軍事領域に軸足を置きました。そして成人の年齢が18歳からに引き下げられた今、若い世代を含む全ての主権者が安全保障についても責任を持つ、それを自覚するのに役立つを、という思いで執筆しました。 しかし軍に対する評価も定まらない上、史実を検討しようにも、大量の史資料に取り組まなくては軍のことを理解できないようでは、研究者以外(あるいは研究者でも)考察するのは困難だと

    「最新の安全保障理論」×「主戦論者」の主張で分析! 真珠湾から80年、なぜ日本は「無謀」な開戦へ至ったか? |じんぶん堂
  • 学校教育に忍び寄るオカルト思想 原田実『オカルト化する日本の教育』より|じんぶん堂

    original image: beeboys / stock.adobe.com 書籍情報はこちら †教育現場は感動に飢えている ここ一〇年くらいの間に「江戸しぐさ」の道徳授業への導入や、親学の台頭と並行して教育現場に広まりつつあるものとして、大規模な組体操、1/2成人式、誕生学などが挙げられる。 小中高等学校の運動会などで児童・生徒たちによる組体操は、ピラミッドやタワーなどで次第にその高さを競い合う傾向があった。二〇一四年度には組体操関連で起きた事故が全国で八五九二件(独立行政法人日スポーツ振興センター調べ)に及んでいる。組体操で起きる事故の中には死者が出たり重傷者に重い後遺症が残ったりした例もある。 名古屋大学准教授の内田良の試算によると一五一人で構成される一〇段のピラミッドだと土台の中央部には一人あたり三・六人分の体重がかかる生徒がいる。中学三年男子の平均体重ではこの荷重は二〇〇

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  • 「教室における政治的中立性」書評 民主主義の担い手育てる議論を|好書好日

    教室における政治的中立性 論争問題を扱うために 著者:ダイアナ・E.ヘス 出版社:春風社 ジャンル:教育・学習参考書 「教室における政治的中立性」 [著]ダイアナ・E・ヘス このテーマに関心を持つ研究者、親として、これは必読書だと手に取った。 我が息子の通う小学校は、少数の保護者が反対する問題の議論を私が提案すると、「対立を生じさせる」として認めなかった。 外国籍、親が闘病中という子どもの行動を心配する声が地域で上がった時には、個人情報の保護を理由に、「学校で対応するから、他の保護者は関わらないように」と言われた。 対立や問題からこそ、学びが生まれる。より多くのことを知り、理解できるようになるというのに。 人々が均質的な共同体に移行し、政治的対立に反対する傾向は、アメリカでも顕著だという。分裂した社会では、政治が二極化しやすく、重大な問題への解決策を生み出せなくなる。 著者は社会に「適合す

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  • 追悼・ウォーラーステイン 世界システム論を提唱、資本主義批判を貫いた(山下範久・立命館大学教授)|好書好日

    イマニュエル・ウォーラーステインが逝去した。世界システム論を提唱し、人文学・社会科学に広範な影響を与えた彼の仕事を三つの著作で振り返る。 まず主著中の主著は『近代世界システム』、特にその第1巻である。アフリカを専門とする政治社会学者としてすでに米国のアフリカ学会を代表する研究者であった彼が、44歳で「世界システム論」という新しい学を切り開いた記念碑的著作である。同書は当時の社会科学が閉じ込められていた三つの前提を覆すものであった。 地球規模の理論 一つは一国的アプローチ。彼は「社会」といえば暗黙に国民国家が前提となる発想を批判し、社会科学は「史的システム」を単位として再構築されなければならないと主張した。 二つめは冷戦的思考。当時は国内問題でも国際関係でも、あらゆることが資主義と共産主義の対立として捉えられがちであった。ウォーラーステインはそれを偽の二分法だと批判し、私たちが生きている資

    追悼・ウォーラーステイン 世界システム論を提唱、資本主義批判を貫いた(山下範久・立命館大学教授)|好書好日
  • 焰に包まれた築850年の世界遺産 ノートルダム大聖堂再建の日を待つ|じんぶん堂

    記事:白水社 ノートルダム大聖堂はなぜ、私たちの心に語りかけるのか? アニエス・ポワリエ著『ノートルダム フランスの魂』(白水社刊)は、築850年の大聖堂の比類ない歴史を見つめる。そこに集い、献身的に携わり、未曽有の危機から救おうとする市民たちの物語。 [Author photo © Hannah Starkey] 書籍情報はこちら 【著者アニエス・ポワリエのインタビュー動画 'The Soul of France': New book revisits the embers of Notre-Dame, one year on(英語)右下の歯車アイコンをクリックすると字幕翻訳できます。】 まえがき 火災の夜を思い起こすと、万華鏡のような映像と千々に乱れる感情が次々に心に浮かぶ。鮮黄色の煙が渦を巻き空に舞うのが台所の窓越しに目に入り、階段を駆け下りトゥルネル河岸に跳び出し、ノートルダムの南

    焰に包まれた築850年の世界遺産 ノートルダム大聖堂再建の日を待つ|じんぶん堂
  • 「魂の邂逅」書評 綾なすふたりの「道行」描き出す|好書好日

    魂の邂逅 石牟礼道子と渡辺京二 [著]米浩二 書は3年前に上梓(じょうし)された『評伝 石牟礼道子――渚(なぎさ)に立つひと』の続編だが、この言い方ではどうも月並みに過ぎる気がする。 晩年の石牟礼さんに親しく接し、ご人と親族や近しい人々にも深く取材した前著は、作家・石牟礼道子を知るに最適の人物史だ。 しかし前著を書き終えたとき、おそらく著者には、ここからが当の出発だという思いがあったろう。作品への言及を織りこみながらも作家の足跡や作品のなりたちを「外から」見ることをひとまず終えたとき、ようやくその世界の奥に分け入ることができると感じられたはずだから。 その思いが随所にあふれて書を単なる「パート2」に終わらせない。 冒頭「道子の章」では「きのう、もちごめを炊いたんですよ」で始まる石牟礼さんの語りが、自然や環境に感応して言の葉をつむぐ霊的な作家の姿を蘇(よみがえ)らす。それを陰に陽に

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    judgeer 2021/03/14
  • 「不寛容論」書評 入植神学者が訴えた信教の自由|好書好日

    不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学 (新潮選書) 著者:森あんり 出版社:新潮社 ジャンル:新書・選書・ブックレット 不寛容論 アメリカが生んだ「共存」の哲学 [著]森あんり 日では「一神教は多神教よりも不寛容だ」という俗説が根強い。信仰心の篤(あつ)い人は他宗教・他宗派を排斥しがちだというイメージが浸透している。 しかし書は、現代の寛容論は近代合理主義によって創始されたものではなく、中世キリスト教に淵源(えんげん)すると指摘する。カトリック教会の法学者たちは、キリスト教こそが正しくそれ以外は間違いだと確信していたが、異教徒への寛容を説いて共存を図った。 この伝統は以後も引き継がれ、キリスト教布教を口実としたスペインによる「新大陸」征服事業を批判する宣教師も少なくなかった。著者は、こうした中世以来の寛容論の流れの中に、アメリカがイギリスから独立する以前の17世紀の神学者ロジャ

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    judgeer 2021/02/20
  • 「天皇と軍隊の近代史」書評 更新続ける通説 なお残る難題|好書好日

    ISBN: 9784326248506 発売⽇: 2019/10/19 サイズ: 20cm/365,9p 1930年代の日の軍事と外交を専門とする著者が、天皇制下の軍隊の在り方の特徴とその変容を捉え、軍が政策決定の質的変容にどのような影響をもたらしたのかを、明快な論理と筆… 天皇と軍隊の近代史 [著]加藤陽子 世間では「過去は変わらないのだから、歴史は暗記ものだ」という印象が強い。受験勉強の名残だろうか。しかし歴史学界では新しい研究成果が不断に生み出され、通説は日々塗り替えられていく。作家や評論家がしたり顔で語る史論が、学界ではとっくの昔に否定された説に依拠していることも珍しくない。 近代史においては、歴史像が更新されていくスピードが特に速い。司馬遼太郎の『坂の上の雲』や『この国のかたち』で理解が止まっている人が書を読んだら驚くだろう。 たとえば日清戦争については、当時外相だった陸奥

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  • 「戦国合戦〈大敗〉の歴史学」書評 敗者復活もあった〝その後〟分析|好書好日

    合戦での〈大敗〉は、大名の滅亡に直結するのか。1540年代から80年代にかけての約半世紀における、国内で生じた9つの〈大敗〉事例を比較検討。〈大敗〉の影響を実証的な歴史学… 戦国合戦〈大敗〉の歴史学 [編]黒嶋敏 たった一度の敗戦で全てを失う。戦国時代の有名な戦いの多くに、そうした〈大敗〉の印象がつきまとう。 しかし実際には、巷間言われるほど劇的な〈大敗〉ではない場合もあるし、〈大敗〉後に持ち直した戦国大名もいる。〈大敗〉を教訓として勝ち組に転じた者すら存在する。書は研究者らによる論文集。綿密な史料分析に基づき、戦国時代の著名な〈大敗〉の実像に迫り、また〈大敗〉後の敗者の動向を丁寧に追う。 第1部は《〈大敗〉と大名領国》。金子拓(ひらく)は、長篠敗戦後の武田勝頼の軍制改革に注目している。また勝頼が家老衆の意見を無視して敗れたというイメージは『甲陽軍鑑』に依拠しており、再考の余地があると説

    「戦国合戦〈大敗〉の歴史学」書評 敗者復活もあった〝その後〟分析|好書好日
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    judgeer 2019/08/22
  • コラム別に読む : 二つのコリア〔第三版〕—国際政治の中の朝鮮半島 ロバート・カーリンさん - 坂尻信義 | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

  • コラム別に読む : 淋しいのはアンタだけじゃない(1) [作]吉本浩二 - 山脇麻生(ライター) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

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    judgeer 2017/06/05
  • 書評・最新書評 : 忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦 - 椹木野衣(美術批評家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    の小村「須恵」は、日民俗の研究者にはつとに名高い。エンブリー夫による戦前の滞在調査の記録が、世界で唯一の外国人による人類学的な日研究だったからだ。しかし、夫がその後の日に与えた潜在的な影響の大きさについて思うとき、その名は「忘れられた」ものとなる。敗戦後、その成果はGHQの注目するところとなり、農地改革をはじめとする占領政策に貴重な材料を与えた。 だが著者によれば、夫戦争の勝者による一方的な統治と人類学の政治利用には疑念を持っていた。それどころか、村で「はじあい」と呼ばれた日々の協力には、戦後盛んとなる共同体批判には収まらない、もうひとつの「民主化」への萌芽(ほうが)があったのではないかと示唆する。性の奔放さを巡る報告も注目に値する。 著者は3年弱を現地で過ごし、コーネル大学に残された2280ページに及ぶ筆記に目を通した。エンブリー夫の足跡に迫った初の格的な著作と言っ

    書評・最新書評 : 忘れられた人類学者―エンブリー夫妻が見た<日本の村> [著]田中一彦 - 椹木野衣(美術批評家) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    judgeer 2017/05/18
  • コラム別に読む : オリエンタルピアノ [著]ゼイナ・アビラシェド - ササキバラ・ゴウ(まんが編集者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト

    ■具体と抽象を行き来、音楽感じさせる 今年後半は海外の傑作の翻訳出版が相次ぎ、新たな表現の可能性を切り開く意欲作も目についた。中でもリチャード・マグワイア『HERE ヒア』(国書刊行会)と並んで、特に強い印象を残したのがこの作品だ。 物語の舞台はベイルート。ヨーロッパ産の楽器であるピアノが、1950年代にこのアラブの地で、ある男の手で作りかえられ、新たな音を獲得しユニークな1台に結実していくドラマが描かれる。 タイトルどおり、音楽を感じさせる作品だ。テーマだけでなく、そもそもまんがが音楽のように描かれている。手法は大胆だ。シンプルにデザイン化された絵が、白黒の画面の中でリズミカルに踊り、明滅し、響き合い、豊かなイメージを生み出している。具体的に描かれた絵も、やがてパターンの渦に巻き込まれ、逆に抽象的に見えた絵が、いつの間にか具体的に何かを雄弁に語りだす。 著者らしき人物のドラマも並行して進

    コラム別に読む : オリエンタルピアノ [著]ゼイナ・アビラシェド - ササキバラ・ゴウ(まんが編集者) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
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    judgeer 2017/05/16
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