地震後初の熊本のホームゲームが開催された日立柏サッカー場。熊本や水戸以外のファンも多数駆けつけた 【宇都宮徹壱】 常磐線の車窓に映る風景をぼんやり眺めながら、ふと「最後にロアッソ熊本の試合を観たのはいつだっただろうか」と考えてみた。3年前? 5年前? いやいや、もっと昔だ。あれは2005年の晩秋、岡山で行われた全国地域リーグ決勝大会でJFL昇格を決めた時のこと。当時のクラブ名は「ロッソ熊本」で、チームを率いていたのは現在クラブ代表を務める池谷友良氏であった。この日(5月22日)、日立柏サッカー場で「ホームゲーム」が行われなかったら、ご無沙汰の期間はさらに延長されていたことだろう。 08年にJ2に昇格して以降、ロアッソ熊本の名前が全国レベルで注目されることは、これまでほとんどなかった。しかし9シーズン目となる今季のJ2リーグ、熊本は開幕から3連勝を果たし、第3節終了時には初めて単独首位に立つ