細胞の核にあるDNAの損傷をピンクに染める色素で撮影した卵子。年配の女性の卵子(右)は若い女性の卵子(左)に比べ、損傷が多いことがわかる=サイエンス・トランスレーショナル・メディシン提供 【下司佳代子】女性が30代後半以降になると妊娠が難しくなる背景にある「卵子の老化」は、DNAの損傷を修復する機能が低下して起きるらしい。そんな研究結果を、米ニューヨーク医科大などのチームが13日付米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンに発表した。 女性の晩婚化が進み、高齢出産をする人が増えているが、卵子は新しく作られることはなく、加齢とともに数は減る一方だ。こうした卵子の老化を食い止め、いかに妊娠する力を維持できるかは、生殖医療の大きな課題になっている。 核にあるDNAに損傷がたまった細胞は「自殺」して消滅していくが、チームは、損傷を修復する働きを持つBRCA1と呼ばれる遺伝子と、卵子